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星の輝き
第7局
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初、この時期には会わないで済ますつもりでしたね。
「ああ。」
−しかし、以前に塔矢アキラの事を聞いていた私とあかりには、二人が会わないことはあまりにも不自然に感じたのです。だから、私とあかりはヒカルを説得し、塔矢アキラとの出会いという流れができた。最後はヒカルもかなり乗り気になってましたよね。
「…まあな。」
−そして、出会いだけを作り、ヒカルはアキラとの接触をしばらく絶つことを決めていた。そうしたところに今回の出来事です。まるで、誰かが流れを修正しているかのようにも思えませんか?
「オレと塔矢の接点を作るためにか?」
−ええ、そうです。正確には、そこにあかりも交えてですね。
「え!わたし!?」

−ええ。ヒカルの前回と今回、一番大きな違いは2点です。私との出会いの時期、そして…、
「…あかりだな。」
 じっと佐為を見つめるヒカルは、いつのまにか落ち着いていた。あわてたのはあかりだ。
「え!私何か悪いことしてるの!?」
−いえ、むしろあかりがいることが。あかりの今があるからこそ、いい方向に流れているのではないのかと、私には思えるのです。
「…そうだよな、あかりがいるから佐為に会いに行く勇気がもてたし、今もこうして周りに邪魔されずに碁を打てるしな…。」
−あかりが説得したから、塔矢アキラと会ったんですもんね、ヒカル。
「えっ、そうなの、ヒカル?」
 びっくりしているあかりに、ちょっと赤くなったヒカルが頭をかきながらこたえた。
「ま、あんだけ一生懸命言われたらなぁ…。」
「そ、そうだったんだ…。」
 ヒカルの言葉を聞いて、今度はあかりが赤くなってうつむいた。
「んー、まあそれはいいとして、あれか、どうもこのままじゃ悪い流れになるから、塔矢との接点が増えるように進路が修正されつつあるって言いたいのか、佐為。」
−ええ、そうです。ですので、私には悪い流れとは思えないのですよ。
「んー、でもなー…。」


「あかりー、遅くなるからそろそろ帰るわよー。」
下からあかりの母の呼ぶ声が聞こえた。
「はーい!。もうこんな時間だもんね。」
−今すぐ決めなくてはいけないことでもないのですよね。しっかり考えて見ましょう。
「…そうだな。」

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