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第一章〜囚われの少女〜
第一幕『聖なる騎士≪ホーリーナイト≫』
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のですか?」
 顔も見えない相手に心を惹かれでもしたのだろうか。しばらく返事のない男の背中へ、想いを投げかけ続ける。
「もしあなたが死神であるなら、私はこのまま死んでもいいわ。その方が今の状況を簡単に理解できます。……でももし、あなたが私の騎士となって連れ出してくれたとしても、何を希望に生きましょう?」――何もなければ、その道を選んだとしても、屍と同じ。
「私の救世主さま。これからの希望は、あなたのお傍にいることで得られるのでしょう。生きがいを感じ、あなたが私の騎士≪ナイト≫であることを望むのでしょう」
 少女は返事のない、そこに動じない男の方へと手を伸ばした。「私の騎士≪ホーリーナイト≫さま、こちらを向いては頂けませんか?」

 しばらくの沈黙ののち、男は一歩前へ出る。先ほどとは違い、丁寧な語り口。
「貴女がお望みというならば、私は貴女を振り返ろう。貴女の手を取り、この場から連れ出し、あなたの騎士となろう」そして――


〜この物語の、時代や世界観のモデルは19世紀ヨーロッパのような、洋風なイメージ。
筆者によって創られる、ファンタジーの世界へどうぞ〜

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