第三十二話『雨Vs雨』
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ま敗北してしまったら、私は……!!)」
ラウラはスウェンを見つめ、過去の事を思い出す。
/※/
「わ、私が隊長に!?」
「そうだ」
シュハイク責任官に思わず声を荒げながら質問してしまった。
スウェン隊長が居なくなってから、早数週間が過ぎた。この黒ウサギ隊の隊長の後任を決めるか会議が先日行われていて、その後任がまさか私になるとは思わなかった。
クラリッサ副隊長に聞くと、私はスウェン隊長から主に訓練などを受けており、隊長に非常に近い存在のため私が抜擢されたらしい。
そんな事はない、私はあの人とは近くは無い。私はあの人の背中を見て、何時からかあの人に私を見てもらいたいと思うようになって、此処まで来れたのだ。決して近い存在なんかじゃない。
「申し訳ありませんが、私では……」
「大丈夫だ、お前なら出来る。スウェンもお前が隊長になると聞いたら納得するだろうよ」
「で、ですが……そういえば、スウェン隊長が日本へと渡ったとお聞きになったのですが」」
「ん? ああ、そうだ。あいつは世界でも例に見ない男のIS操縦者だからな。上層部がスウェンに入学させろと騒いだのだよ。む、確かスウェンは特別待遇のドイツ代表候補生だから、もう一人ドイツから候補生を出さねばならないな。さて、誰が出るのだろうな」
顎に手を添え、悩むシュハイク責任官。誰がなろうと私には関係ないのだが……。
待て、候補生というのは確か専用機持ちが主になると誰かから聞いた事がある。それが嘘か真かは知らない、だがもし候補生になれば隊長の下へまた行けるのでは?
隊長の御両親が開発した、レーゲンは次期黒ウサギ隊の隊長が使用する事になる。これは……もしかしたら。
「シュハイク責任官」
「? なんだ」
「私が隊長なるという件、引き受けます」
「ほう、それは良かった。お前なら安心して隊長を任せられるな。これからよろしく頼むぞ、ラウラ隊長」
「はい、この身を掛けて尽力致します」
シュハイク責任官はさぞ上機嫌に笑う。私が隊長……なりたいと思った理由はあまり良い物ではない。それにスウェン隊長の後に私が黒ウサギ隊の隊長に勤まるかは解らない。だがここで頑張っていれば、スウェン隊長もきっと私の事を見てくれる。
そう思えたから今まで頑張ってこれた。だけど……
ここで私が敗北したら……無様な姿を晒してしまったら、隊長は二度と私の事を見てくれなくなる。あの眼差しを二度と私に向けてくれなくなる。
嫌だ、そんなのは嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだいやだイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ!!!!!!
「いやああああああ
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