第二十話 身体検査(システムスキャン)
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い通りに空中浮遊させたり回転させたりしている。
「それじゃー、次。30cmのやつ、いってみようか」
「はい」
このサイズだとまだ余裕を持って持ち上げることができるくらいにはなっている。一応これでも自分の能力に関しては、ある程度使いこなせるように練習してきているのだ。
「いい感じね。じゃー、一旦休憩ね」
「はーい」
ここまではウォーミングアップのようなものだ。実質的にはこの後の50cmの金属を持ち上げるのが、俺の能力値の測定になる。最初に測定した時よりも能力の使い方は上手くなっているはずなのだが、どの程度までコントロールできるかはやってみないと分からない。
休憩ということで、取り敢えず自動販売機の前まで行ってみる。色々と変なジュースがラインナップされているのだが、今回は『カツサンドドリンク』を選んでみた。取り出してみると結構ずっしりと重い。一体、中身はどうなっているのだろうと思って振ってみると、中の液体はかなりの粘度がありそうだった。
「……うわっ、マジでカツサンドだ!」
一口飲んでみると、かなりドロっとした液体が流れ込んでくるが、味自体はそれほど悪くない……というか、微妙に違うような気もするが確かにカツサンドな味がするのである。しかし、缶の側面を見たときに微妙に違うような気がする理由が分かった。
「高級松田牛って……牛肉のカツサンドかっ!!」
俺のイメージではカツといえば基本的にはトンカツである。まさか、ドリンクにするようなカツサンドで牛カツを使ってくるとは思わなかった。
「いや……それ以前に……、牛肉使ってねーじゃねーかっ!!」
もう、どう突っ込んでいいやら。姫羅の状態としては口調がおかしくなっているが、それも仕方ないぐらいの衝撃である。原材料名の部分に『小麦粉・卵・牛乳・生パン粉・ウスターソース・トンカツソース・ケチャップ』とあるにもかかわらず、『牛肉』もしくは『ロース』とか『フィレ』のような表記がないのだ。商品説明っぽい部分には普通にカツサンドの写真と『高級松田牛を使用した、サックリとした衣のカツサンドをそのままドリンクにしました。』なんて説明が付いているのに、原材料名に入ってないとかって一体どうなっているんだろう。まぁ、ただ単に書き忘れただけなんだろうが……。
ついでにもう一つ、この注意書きに対して突っ込んでおかなければならない。
『●お茶の成分が沈殿したり、濁ったりすることがありますが、品質には問題がありません。』
「お茶かよっ!?」
一通りツッコミを終えたところで……いや、そうじゃなくて、なかなか腹持ちのよさそうなカツサンドドリンクを飲み終えたところで、能力値測定のために準備を始める。
「次はこれね」
女性の担当者が
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