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とあるの世界で何をするのか
第二十話  身体検査(システムスキャン)
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…この服は?」

 俺が姫羅になってシステムスキャンを受けるのは一向に構わないのだが、それにしてもこの服の量がとんでもない状態だったので、女性の担当者に目の前の状況について聞いてみた。

「うん? あー、この中から好きなのを選んで着替えてもらえるかな。着た服はあげるから、それを着たまま帰ってもらってもいいわよ」

 女性の担当者から返ってきた答えは、俺が知りたいこととは少し違っていた。

「はぁ、いや、これだけの服どうしたんですか?」

「あら、そっち? それはねー、知り合いが洋服屋やってるからちょっと協力してもらって、貴方に選んでもらえるように少し品物を置かせてもらってるの。もちろん、貴方が着る分については、こちらがちゃんと払っておくから気にしなくていいわよ」

 今度はちゃんと知りたい答えが返ってきた。しかも、至極(しごく)(まっと)うな答えだ。これは俺の勝手な思い込みなのだが、御坂さんとか麦野さんのおかしな金銭感覚を知っている身としては、研究所の予算を使って買い集めたりとかしててもおかしくないと思っていたのだ。

「なるほど、そうだったんですか。それなら遠慮なく選ばせて貰いますね」

 これだけのお膳立てをしてもらっているにもかかわらず、何も選ばないというのも逆に失礼だろうと思ったので、ご厚意には素直に甘えさせてもらって洋服選びに取り掛かる。

「それじゃー、着替えたら測定に来て頂戴。場所は最初にやったグラウンドって言えば分かるでしょ?」

「はい、分かりました」

 女性の担当者が部屋を出て行ったので、俺は部屋の中を見て回った。一応、着替え用にカーテンで仕切られた、その辺の店の試着室よりはかなり広いスペースがあって、着替えを入れるためなのかちょっとした台の上にかごも置いてあった。ただ、鏡は普通の家にもありそうなスタンドミラーである。

 服を色々見ていると、柵川中学の指定制服であるセーラー服を見つけた。その区画にはその他の学校の制服と思われるブレザーやセーラー服が何種類か掛けられていたが、常盤台の制服は置いてないようだ。

 しばらく見て回って気付いたのだが、ここに揃えられている服は下着類に至るまで全て姫羅のサイズになっている。入学時に姫羅の状態でも身体測定を受けたから、その時のデータでも参照しているのだろう。

 時間的には5分とかそのくらいだろうか、服を一通り眺めてみて俺が決めたのは白で襟と袖口が青のポロシャツ、そして紺系のチェック柄プリーツスカートだ。プリーツスカートは学校制服のコーナーとは別のところに置かれていたので、どこかの学校の指定制服というわけではないのだろう。あとは青いラインの入った白のハイソックスと、青いラインが入ったスニーカーの組み合わせである。ただ、ヘアピンの関係は多
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