―理由―
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が、やはりどうにも攻勢に出れるカードは来ない。だが、準の理不尽な行動を見た遊矢少年は、むしろ落ち着いてカードをセットした。
「俺は《マッシブ・ウォリアー》を守備表示!」
マッシブ・ウォリアー
ATK600
DEF1200
ワンショット・ブースターとは違い、守備向けのモンスター効果を持っている要塞の機械戦士を召喚し、さらにフィールドを整える。
「カードを一枚伏せ、ターンエンドだ」
「守備一辺倒か? 俺のターン! ドロー!」
力強くカードを引き、そのままドローしたカードをデュエルディスクに叩きつけるように、準はそのモンスターを召喚する。その行為にレイと遊矢少年は眉をひそめるが、準には特に悪い意識などない。
「粉砕しろ、《ミノタウロス》!」
ミノタウロス
ATK1700
DEF1000
巨大な斧を持ち、真紅の鎧を着込んだ牛の化け物が現れ、先にいたサイクロプスの横に並んだ。カードは乱暴に扱ってはいるが、準にカードたちへの思い入れがないわけではなく、むしろカードたちを信用していると言っても良い。
そのカードたちを信用するだけの『理由』が、彼にはあるのだから。
「バトルだ! サイクロプスでマッシブ・ウォリアーに攻撃!」
その理由から、彼はリバースカードなどお構いなしに攻撃を選択する。強靭な腕でマッシブ・ウォリアーに殴りかかったが、マッシブ・ウォリアーの盾は貫かれない。
「マッシブ・ウォリアーは一度だけ攻撃が効かない」
効果の理解が微妙に違うものの、マッシブ・ウォリアーはその言葉通りにサイクロプスの攻撃を防ぎきったが、さらにミノタウロスの攻撃が迫り来る。
「ならミノタウロスで粉砕だ! アックス・クラッシャー!」
「伏せてある《くず鉄のかかし》を発動! ミノタウロスの攻撃を無効にする!」
ミノタウロスの豪腕から振るわれる巨大な斧だったが、マッシブ・ウォリアーの前に現れたくず鉄のかかしに阻まれ、その攻撃はマッシブ・ウォリアーに届かない。さらに、《くず鉄のかかし》はその攻撃では破壊されず、そのまま遊矢少年のフィールドに戻っていく。
「《くず鉄のかかし》は再び伏せられる」
合計三回の攻撃を敵に強制する布陣に、遊矢少年は少し気を良くしながらニヤリと笑う。
「チッ、くず鉄どもめ……! ターンエンド!」
「オレのターン、ドロー!」
しかし、次のターンに準のフィールドに新たなモンスターが召喚されれば、この布陣を準は突破出来る。遊矢少年もそれは良く解っているので、攻勢に出れるカードを引くように祈りながらドローした。
「よし! 《マックス・ウォリアー》を召喚!」
マックス・ウォリアー
ATK1800
DEF800
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