ハンバーグと私
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
いました。
よーく見ると店員さんは
ちゅんたの奥さんでした。
そうです、
私は21日、ちゅんたと不倫をしたのです。
そしたら
奥さんにバレたのです。
そしたら
奥さん、ちゅんたをサクッと殺したのです。
奥さんは
とても優しい人で
私に
ハンバーグをご馳走してくださいました。
それが
いま完食したハンバーグで御座います。
不思議な味がするハンバーグです。
ちゅんたの味。
私の罪の味。
奥さんの憎しみの味。
哀れな男の味。
ハンバーグになってしまった男。
私はいま
奥さんに監禁されているのです。
私は
ふとそのことを思い出して
ぐげぇーと
喉奥から
ハンバーグを
テーブルの上に
全て戻してしまいました。
奥さんは
ぜんぜん怒らずに
「うちの旦那
お下げしてもよろしいですか」
と言いました。
私は
特に執着してるわけでもないので
「あぁ、はい。お返しします」
と言いました。
そして、
もう一度
ちゅんたのメールを読み返しました。
宛先は
「地獄」でした。
かわいそうに。
メールを読み返しながら
そう思っていると、
奥さんが
近付いてきて
私の首筋にナイフをあててきました。
そして、
「そろそろ殺してもよろしいでしょうか」
と
聞いてきたので
私は
いつもと同じように
特に
自分にたいしても執着してないので
「あぁ、はい。」
と
笑顔で答えました。
どーお?
私
いま決して
怯えてる顔なんかしてないの
足がガチガチ小刻みに震えているのも
きっとバレていない
奥さんが
最後にこう言ったのよ。
「苦しいでしょ?
もう死んでいいよ
楽になっていいよ」
なんだか
すごくホッとしたわ。
なんて優しい人なのかしら。
以上、
キレイな海が見える地獄からの中継でした。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ