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狂った私をお食べなさい
ハンバーグと私
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飲み込まなきゃいけないなんてことはない

とりあえず、
口に入れておけばいいんだ

そのうち、
口の中にいつまでも滞在しているハンバーグが
うっとうしくなって

飲み込まなきゃいけなくなる。

まぁ、
つまり人生なんて
そんなもんだ。

あっ、ほらほら

悟り始めたマイレボリューション

って
誰かが歌ってたし。

あっ、
わかりはじめたマイレボリューションだっけ?

そんなことを
ちんたらちんたら
脳内で考えながら

むー子は
口にハンバーグをふくんだまま

口を閉じてみる

そして
窓を見てみる

どーお?

私ってば
きっと今、
決して苦しい顔なんかしてないと思うの

とっても
ポーカーフェイスだと思うの

ほーら

私ってば

キレイでしょう?

とっても
どや顔してると思うの

決して
残りの三口が苦しいだなんて顔はしてないと思うの

どや顔していると

店員さんがコップ水を入れてくれた。

きっと
この店員さんは
私の口の中に
ハンバーグが含まれているだなんて
気付いていないでしょうね。

クスクス。

「ごゆっくりどうぞ」

そう言いながら

去っていく店員さんが
背中を向けたあとに

むー子は
ハンバーグを無造作に噛み砕いて

水を流し込む。

ああ、私は完璧だったわ。

いつだってそう。

悟られちゃいけないの。

美味しそうに美味しそうに。

むー子は
現役風俗嬢である。

フェラのときも

美味しそうに美味しそうに。

決して
悟られちゃいけないの。

「あぁ、もう疲れたよ

早くイケヨ オヤジ」

だなんて
思ってること

フェラなんか
ほんとは嫌いなこと

だけど
むー子はクンニが大好きだから

見返りを求めて
フェラをする

それはそれは

完璧な対応だ。

なぜならば…

まぁ、もう、いいや。

考えるのめんどくさい。

…あー、
もしも
いま、この場で目の前にママがいたなら

ママは
きっと

「お腹苦しいんでしょ?
無理しなくていいのよ
デザート食べよっか」


言ってくれたであろう。
察してくれたであろう。

そして、
むー子も
気の抜けた顔をしていたであろう

だけども、
もし目の前にいるのが
パパであれば、

むー子は

ファザコンなので

やはり完璧な自分を
演じて

笑顔で
もぐもぐもぐもぐ
食べていたであろう。

「もうお腹苦しいんでしょ
無理しなくていいよ」


言う言葉は


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