黒い卵とぼく
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深い深い闇を泳ぐだけでさ。
なんか
もう
どうでもいいや。
鏡を見ると
弱い目をしたぼく
だれか
ねぇ誰か
ぼくを連れ出して。
彼女の目は
ずっと見開いたままで
ぼくの弱い目とは裏腹に
鋭い目をしていた…
なんだか、
責められてるような
そんな気持ちになったんだ。
少しでも…
この深い深い
ぼくを取り囲むどす黒い闇が
ほんのすこしでも
マシになってほしいから
だからさ、
ぼくは彼女の目を
くりぬいて逃げたんだ。
彼女は一人暮らしだったから
ぼくは彼女が死んでから
しばらく
ちょくちょく覗きに来ていたんだ。
あの目が怖いから
目が合わないように
壁に穴を開けて
そっと覗いていたんだ。
そしたら
穴からたくさんハエが飛んできてさ。
そのハエが
うっとおしくて
見てらんなくてさ…
だから
しばらく見に行ってなくて
すっかり彼女のことなんか忘れていた
そして
黒い二つの卵に出会ってさ。
卵の中の女性は
目玉がなかった。
だけど、
ほんとにほんとに美しかったんだ。
「ねぇあの事件怖いよね
彼女殺して目玉持ち歩いてたやつ」
「知ってる!
ハエとか、めっちゃたかってたらしいよ」
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