暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
更なる葛藤〜
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然としている中、リグレット・・・いや、ジゼルが手を差し出してくる。

「サキ、私と共に来い。お前はあんな預言に翻弄されてなお私達の敵になるのか」

「お、俺は・・・」

「サキ!」

その時、辺りが揺れる。

「しまった!今の戦闘で雪崩が・・・!」

「譜歌を・・・!」

「駄目だ!間に合わない!」

「・・・くっ!」

俺はティアを突き飛ばす。

「え・・・!?」

「撫子!頼む!」

「咲さん!?」

「咲!・・・リパル!」

撫子が影を使うのと同時にリパルが飛んできた・・・瞬間、意識が飛ばされた・・・









『ジゼル、お疲れ様』

『ああ、どうだった?』

『姉貴にとことんしごかれたからな。訓練が楽で楽で・・・さっきまで自主練してた』

『なるほど。なら、また空きが出来たら鍛えてあげるわ』

ジゼルの言葉が柔らかくなり、それが気を緩めている時だと俺は知っている。

『・・・あ、あと二ヶ月で姉貴の誕生日か』

『そういえばそうだったわね』

『何か欲しいものとかある?』

『ないわ。サキが祝ってくれるなら、それだけで十分』

『でもなあ・・・よし!姉貴も女なんだから、アクセサリーの類いを少しでも身に付けろよ!』

『・・・やめなさい。私には似合わないわ』

『そんなこと言ってると、婚期逃すよ?』

『な・・・!?』

『はは!それじゃ、ちょっと品定めに行ってきまーす!』

『サキ、待ちなさい!・・・まったく・・・』









『・・・さん!咲さん!』

「う・・・リパ、ル・・・?」

目が覚め、気づく。身体が・・・動かない。

『無理しないで下さいッス』

「俺、は・・・どうな・・・って・・・」

『あの高さから落下して・・・全身、滅茶苦茶ッス・・・』

「・・・」

目を閉じ、状態を確認。落下時に骨の半数以上が砕け、更に内臓も損傷。並みの人間なら即死だが・・・

「(完全回復まで・・・数十分ってとこか・・・)」

生憎、この程度では死ねない。

「は、ははは・・・」

『咲さん・・・?』

「何なんだろうな・・・何なんだろうな・・・畜生・・・」

涙が零れる。

「どんだけ敵を増やせばいいんだよ・・・ああ、そうかそうだったのか。ヴァンの後悔するぞってこのことか・・・アは、アはハハはハはは!」

『咲さん!?正気を・・・』

「正気?正気だぁ?なにが正気だよちょっと何かあればすぐ狂ってるってか?ああそうだよ俺は狂ってるよハハハハハ!」

もう止まらない。色んな感情が混ざりあって暴走してそれが口から次々に溢れ出てくる。

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