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狂った私をお食べなさい
バナナちゃんの恋
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ね」


注意する声が聞こえる

おばちゃんたちが
何を言ってるかは
聞き取れなかった。

ふと背中に
温もりを感じて振り向くと
バナナが
ぼくの背中に抱きついていた。




「ずっと一緒」





そう言って
バナナは幸せそうな顔で
ボロボロと涙を流した

ぼくも
何故だか泣けてきて
僕たちは

部屋の外に声が漏れないように
声を押し殺しながら
激しく貪りあった

それはそれは
史上最強に幸せな時間で

バナナと触れ合うと
まるで……
生まれた時から一緒にいるような…
そんな感覚になるんだ。

相変わらず部屋の外からは
おばさんたちの話し声が
煩くて煩くて…。




「それにしても
災難だったわね。
美智子さんショックでお家で
寝込んでるらしいわよ」

「そりゃー、
我が子が部屋に閉じこもってるから

覗いてみたら

局部をナイフで切り取って
倒れてる姿なんか見たら
ショックで立ち直れないわよ」

「美智子さん
女手ひとつで育ててきたものね。

自分が構ってあげれなかったから、

子供が精神的におかしくなってしまったんだと、
ずっとずっと自分を責めてたわ」

「でも
助かって良かったわね。

美智子さんが、見つけなければ

あと一歩で大量出血で命が危なかったらしいわ。」

おばさんたちの
うるさい会話を聞きながら
ぼくとバナナは
ウトウトしていた。

そして
ぼくはバナナにキスをしたあと
ぼくは子供のように
バナナに甘えながら

また眠りについた。

…おばさんたちの話し声や
看護婦さんの声を聞きながら。

ぼくは
ずっと寂しかった。

だれのものにも
なれないぼく。

ひとは
こどくだ。

だから
ぼくはぼくの中のぼくを
こじあけて

ぼくは
やっと
征服されることが出来た

たったひとりの
ぼくだけのぼく。
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