第二話「魔法/MAGIC」
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行くね?」
そういうとなのはは先を急いだが、しかしタケルはそんななのはの行動が理解できず、
「なのはちゃん……!」
「え、なに?」
なのはは急いでいる様子なので手短に彼は尋ねた。
「……どうして、なのはちゃんは人のために頑張るの?また、昨日みたいに危ない目にあったりするんだよ……」
「え?」
「……なのはちゃんが頑張る理由は何なの……?」
真剣な目でタケルは尋ねた。しかし、なのはは自分なりの返答を彼に答えた。
「ユーノ君の事情も聞いちゃったら放っておけないよ?それにあの時みたいなことがご近所で度々あったりしたら、皆さんのご迷惑になっちゃうし……家族や友達が巻き込まれたくないの」
「……」
タケルは黙って彼女の話を聞き続ける。
「困っている人が居て、助けてあげられる力が自分にあるなら、そのときは迷っちゃいけないって……これ、お父さんからの教え」
「……?」
「あ、ごめんね!私もう行かなくちゃ!」
そう言い残して彼女は慌てて現場へと向っていった。
「……」
そして、一人だけ取り残されたタケルは思った。なのはだけが戦い、自分は個人の都合で現実から逃れようとしている。そう思うと自分が情けなく思った。
確かに、あのときは戦いに巻き込まれて自分の中に眠っていた正義感が一瞬呼び覚まされてロックマンへ変身し、戦った。今ではもう済んだ事だし、もう戦いに巻き込まれたくないと思った。それなのに、何故かスッキリしない。どこかで心残りがあった……
あのときモデルXは自分に助けを求めていた、蒼霧タケルという存在を必要としていた。
「……」
(困っている人が居て、助けてあげられる力が自分にあるなら、そのときは迷っちゃいけない……)
「っ……!」
なのはが言っていた士郎の教えを思い出し、気がつくとタケルはライトの自宅へ向って走っていた。
「僕に出来る事……」
今まで僕は「ヒーロー」と呼ばれる存在を認めはしなかった。だからヒーローになることも拒んだ。だけど……
「……!」
今は違う……!
「っ……!!」
僕が目指すヒーローは、今まで嫌っていた「ヒーロー」とは違う。僕は、この世界に存在しない真の「ヒーロー」になってみせる!
ライトの自宅へ駆け込み、彼のラボへ押しかけるとそこにはライトは居ず、居るのは彼のデスクに置かれているモデルXだけであった。
「モデルX!?」
『……?』
「モデルX!起きて?」
『タケル……?』
「モデルX……僕決めたよ!僕を……「ロックマン」にしてください!」
『タケル……』
「僕、本当は迷っていたんだ。でも、誰かが助けを求めているなら、誰かが僕を必要としてくれるなら、困っている人を助ける力が僕にあるのなら……僕はなりたい、ロックマンになって本当の自分を少しずつでも取り戻していきたいんだ!」
タケ
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