第二話「魔法/MAGIC」
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質があると評価してきたのだよ?」
「……モデルXが?」
動かしていたナイフとフォークが止まり、タケルはライトの話に耳を傾けた。
「彼は君をロックマンとして選びたいと言っておるが、タケルや?いきなりですまないが、お前さんはどう思うんだい?」
「僕は……」
「今は私とお前しか居らんよ?さ、正直にお言い?」
「……僕は、「ヒーロー」が嫌いです」
と、タケルは答えた。その返答にライトは首をかしげる。
「ヒーロー?」
昨夜の戦闘を見てタケルはロックマンのことをヒーローと例えていた。
「僕は、ヒーローを信じません……」
「ロックマンのことかい?」
「……」
タケルは頷いた。確かに言われて見れば暴走したジュエルシードを回収して世界を救う役目、この仕事をする人間をヒーローと呼ばないで何と呼ぶのか?
「では、私から断っておこう……」
そういうと、ライトはタケルに背を向けると、
「は、博士!」
「ん?何かな?」
「……その、そうなると…モデルXとはお別れになるんですか?もう、会えないんですか?」
そのタケルの目は、断る目というよりも、わずかながら心残りのある目であった。それをライトは見逃さず、
「……しばらくの間、私の家で預かることにしたよ。モデルXも意思を持った生命体だから話し相手ぐらい居ないと寂しかろう?今日は休日だからタケルもゆっくりしていきなさい?」
そう博士はタケルにそう言い合せていた。タケルが最期に言ったあの心残りのありそうな言葉を聞いて、ライトも少し戸惑っていた。タケルはモデルXが自分を必要としているのではないかと気づいており、今まで嫌っていた自分を変えたいと思っている。そういう顔をしていた。
ライトが部屋から出てラボへ戻ると早速モデルXが問う。
『どうでした……?』
「迷っておる……あの子はお前さんに必要とされていると思っておるのか、少し戸惑う目をしていた。しばらくは様子を見よう?」
『そうですね?』
*
翌日、タケルは猛スピードで学校へ走っていた。一昨日学校を抜け出したため、自転車を置き忘れていったのだ。朝の六時に起床して玄関先でそれに気づいたので走らなくては間に合わなかった。
「ま、間に合ったかな……?」
時刻は八時、どうにか間に合ったようだ。校門へ入ろうとした時、
「お待ちなさい!」
「!?」
その聞いたことある甲高い叫びにタケル恐る恐る振り向くと、そこには一昨日絡んできた委員長の女子が仁王立ちしてこちらを睨んでいた。
「……?」
「ぎりぎりになって遅刻とはどういうことですの!?」
「……自転車を忘れたから」
「言い訳は無用!ともかく、今度こそ帽子を脱いで授業を受けなさい!!」
と、ビシッと指を刺すと同時にあの時の大柄な男子が彼女のバックに立っていたが、彼以外にもう一人居た。二人の仲
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