事実〜
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に・・・)」
頭に何通りもの仮説を建てて同時に推理していく。
「(二人に怨みを持つ者・・・これは違うな。なら、椿か愛依が黒幕で記憶を上書き・・・これも無しだ。だったら・・・)」
「・・・ふざけないでください!」
「ッ!?」
いきなり響いた撫子の怒声で思考が中断される。
「どうして、どうして破壊者なんか必要なんですか!」
「外史の住人とは思えない発言ね」
「おい、撫子・・・」
「黒羽さんは黙っていて下さい。・・・ただ、平和な世界じゃダメなんですか・・・」
「外史はただ“視られる”存在よ。・・・ただの平和ボケした世界なんてすぐ人々の記憶から忘れ去られるわ」
「それは・・・」
「・・・まあ、私も作られた存在だから、そこまで偉そうにはできないけど・・・一つだけ言えるわ」
紫がスキマの中に消えていく。
『貴方達なら・・・きっとハッピーエンドを迎えられるわ・・・』
紫の姿が消える。
「・・・ま、なんつーか。ワケわからんというか」
知也が溜め息を吐きながら言う。
「・・・」
「撫子?」
「少し・・・外を歩いてきます」
「撫子・・・悪い、咲。俺も少し出るよ」
「・・・あー、俺も外の空気を吸ってくるか」
みんなが外に出た後・・・愛依が入ってきた。
「愛依・・・」
「全部・・・聞いちゃった」
愛依が苦笑する。
「・・・行きたいなら、行ってもいいんだぜ?」
「うん・・・そうしたい、けど」
愛依が俯く。
「怖いんだ・・・不安なんだ・・・アタシは椿を守れるのか・・・」
「・・・」
「ずっと・・・怖かったんだ・・・リョウコウや知也に椿がやられそうになった時・・・また、また失うかもしれないって・・・だから、頭の中真っ白になって、気がついたら逃げてて・・・」
「・・・そりゃ、そうさ」
「え?」
「俺だって詠に会う度に呼吸が止まりそうになる。・・・俺も怖がってるんだよ。また・・・この手で大切な人を手に掛けるかもしれない・・・そう思うと、な」
「咲・・・」
「だけど、頑張る。必ずみんな連れ帰る・・・何故なら・・・」
俺は月や詠・・・恋、ねね、霞、華雄・・・みんなの顔を思い浮かべる。
「また・・・あの笑顔を見たいから・・・みんなで幸せに暮らしたいから・・・」
「でも、アタシ達には帰る場所なんて・・・」
「無ければ作ってやる。・・・だから・・・必ず黒幕をぶっ潰す。愛依と椿の世界を壊し、俺達の世界にちょっかい出したクソ野郎をな」
俺は立ち上がる。
「・・・んで、愛依はどうする?」
「・・・まだ、怖いから・・・もうちょっとだけ・・・一緒に
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