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銀色の魔法少女
第二十六話 謎
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ことで何かメリットがあるか。

「んーーーーーーーーーー!」

 考えてもさっぱり分からない。

 取り敢えず、ここまでしよう、情報が圧倒的に足りな……、まてよ。

「そもそも前世について考えるべきじゃないのかな」

 生まれが特殊であっただけで、私はこの世界に生まれた一つの命。

 だったら今まで通りに暮らしていけばそれでいいのではないか。
 
「…………だめ、考えがまとまらない」

 一旦昼寝でもして頭を休めよう、後はそれから。



side ALL

「おい、そっちに行ったぞ!」

 太陽が沈みかける夕暮れ。

 この春、アリサが見つけた近道を一人、月村すずかは走っていた。

 彼女を追う大人たちは全身黒ずくめにサングラスと怪しさ全開だった。

 しかも、見えてはいないが懐に拳銃を隠している。

「!?」

 少女は道の先に、二人の人影を見つける。

 それは少女の見知った人ではなく、後ろにいる奴らと同じ、黒づくめ。

 少女は見つかる前に、道をそれて林の中に隠れる。

「そっちにたか?」

「いや、見てない」

「って事は近くに隠れてるかもな」

 そう言って彼らも道を外れ、林の中に入ってくる。

 少女はたまらずその場から逃げ出す。

 しかし、その時に木の枝を踏んで音を鳴らしてしまう。

「いた! おい、こっちだ!」

 見つかった! そう思って振り向いたのがいけなかった。

「きゃっ!?」

 足元にあった何かにつまづいて、彼女は転んでしまう。

 少女は慌てて少し体を起こし、後ろを見ると、黒服が追いついてしまったのがわかった。

「まったく、手間かけさせやがって」

 そう言って、黒服の一人が少女に手を伸ばす。

「い、いや!」

 そう言って、彼女は後ろに後ずさる。

 けれど木に邪魔されて、これ以上後ろにいけない。

 それを楽しそうに見つめる男。

「おいおい、そんなに怯え――」

 彼がこれ以上話すことはなかった。

 少女は一部始終を見ていた。

 急に男の股の下に警棒が現れ、そのまま上に上がって行き、男の急所を砕いた。

 男は白目を向いて、倒れる。

 その後ろに、見覚えのある少女がいた。

「遼、ちゃん?」

 眠そうに片眼をこする遼の手には、しっかりと折りたたみ式の警棒が握られている。

「あによ〜」

 どうやらまだ目が覚めておらず、現状を把握してはいなかった。

「おい、ガキはどうした?」

 遼の後ろから一人、また一人と黒服が現れる。

「んにゃ?」

 遼は後ろを振り返り、彼らと目が合う。

「おい、誰だおまえ」

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