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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十三話
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ってこれは悩む問題だ。だが……」
それだけ返すと、フレディはあっという間に吸いきったタバコを自らの右拳で握って火を消した。そのまま竜二に接近すると、その握った拳でいきなりボディブローを叩き込む。
「がはっ……?」
「主!?」
「お前さんの力は中に向けるのか外に向けるのか、それくらいは決めておけよ」
それは人間の弱点である鳩尾に突き刺さった。わずかな間だが呼吸ができなくなり、倒れそうになる竜二を支えるアスカは当然、いきなりそんな真似をしたフレディに食って掛かる。
「フレディさん、これはどういうつもりですか?」
「足手まといになるから連れて帰れってことだ」
「は?あなたがここに連れてきたのに?」
あまりにも理不尽で自分勝手。そんな理由で主を傷つけられたのかとアスカは怒りに震えそうになるが、フレディの次の言葉で冷や水を浴びせられたかのように思考が戻る。
「あの話はいわゆるついでって奴だ。さっさと戻れ。戻れなくなる前にな」
「それはどういう……っ!?」
それでもなお文句を叩きつけようとしたアスカが何かに気付く。フレディもその様子を見てうっすらと笑みを浮かべた。
「気付いたか?今ならまだ『連中』との距離がある。この話はあくまで連中を引き寄せるための暇つぶしと、俺はここにいるぞって言ってやっただけだ」
「貴方って人は……」
「早く行け。俺はアンタみたいないい女を持つ男は死なせたくねぇんだ。寝取る楽しみがなくなるからな」
「……覚えておきなさい、この外道」
「3秒で忘れてやるさ」
そしてアスカは竜二を肩に担ぐと、普段見せる態度からは想像もできない恨みがましい声で一言残し、転移魔法でその場を離れた。
「さぁてクソッタレ共、この爆音で周りは気付けねぇ今のうちにドンパチやっちまおうぜ」
「フレディ・アイン=クロイツ……間違いない。この男だ。さっきの男女はどこへやった?」
「答えてやると本気で思ってるのか?それにまずは自分らが何の用でここにいるのかを答えるのが先じゃねぇのかい?」
そこに現れたのは、十数名の黒ずくめ集団だった。全員すでに各々の得物を構えている。
「まぁ答えたところで、リリカルマジ狩るキルゼムオールってなァ!」
「一人だからと油断するな!確実に殺せ!」
フレディは拳を握ると、集団へと突っ込んでいった。
ちょうどその頃。翠屋のエリアではリンディとクロノがかしこまっていた。壮年の男性がスーツ姿で現れたからだ。
「グレアム提督、お久し振りです」
「ああ。久し振りだな、二人とも」
年齢を感じさせつつ、相手に迫力すら与えるその大柄な肉体を持つ男性はギルバート・グレアム。かつて艦隊指揮官や執務官長を歴任した。現在は現場からは退き、時
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