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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十三話
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が、それはお前さんの中で『知識と覚悟』が足りないからだ」
「何やねんいきなり?」
これまでの態度からは想像もつかないほどの真剣な話題だった。そして外道とも呼ばれるこの男が、関わってきた期間も短く、また会うかどうかもわからない人間相手に戦う覚悟を問うなど、竜二からすれば理解が追いつかずに思考停止寸前である。
「戦いを続けていく限り訪れるぞ、あんな場面は。俺たちと同じ土俵で戦うってのは、ああいうことは起こりうるどころか日常茶飯事からな」
「何言ってるのかさっぱりなんやが……アンタらが使う魔法は普通非殺傷なんやないん?クロノ辺りは確かそう言ってたんやけどな」
「ああ。犯罪者とはいえ民間人だ。俺たちのいる時空管理局ってのははあくまで治安維持組織であって軍隊じゃねぇから、そうホイホイ殺していいわけじゃない」
フレディはズボンのポケットからタバコを取り出してジッポライターで火をつける。武装も本格的に戦闘用のものを使ったり、本格的な実戦訓練をカリキュラムとして取り入れているため勘違いされてしまいがちだが、あくまで武装局員は殺すために戦うのではなく、次元犯罪者を無力化して捕らえるためなのだ。その結果殺してしまうことが多々あるだけで。
「だが、普通じゃない奴らだって世の中にはいるさ。俺みたいにな」
「……そういう奴らと会ったときに、俺に相手が殺せるのかって聞きたいんか?」
「それも含めて、お前さんが出した答えを聞きたい。まさか何も考えてない、なんてことはないよな?それだけの力をお前さんは持ってるわけで、戦う力を持つってことは人の命を懸けることや選ばなきゃならないことなんていくらでもあるぞ」
「……」
竜二は何一つ答えられなかった。普段は軽い雰囲気を持つこの男だが、彼から今発せられているプレッシャーは相当のもの。また竜二も何も考えていないわけではないが、そんなことを考えて話ができるような余裕がないとも言えた。そこで彼が捻り出したのは、この会話を投げかけてきた当初からの疑問。
「……なんでアンタはそこまで俺を気にかける?」
「ん?まぁ……俺がこの町にいるのは今日で最後だっていうのもあるし、お前さんのことは結構気になってはいたからな。老婆心みたいなもんだと思ってくれや」
「ってことは、受けてた仕事が終わったのか」
「まぁ、そうだな。明日には帰ることになった。残ったこっちの金は……まぁ、お前さんらのうちの誰かにくれてやらんでもないわ。お前らで決めとけ」
フレディは空に向けて紫煙を吐き出す。あっさりととんでもないことをいったが、その前にぶつけられた問いへの答えを探す竜二は気付けない。
「……今はまだ、答えは出ねぇか」
「……ああ」
「そうか。まぁ、今までお前さんは何も知らなかったんだ。仕方ねぇさ。歴戦の戦士だ
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