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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第04話
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していて気づかなかったが、簪の顔が横にあるのだ。それも10センチ先に。
「い、いや、何でもないよ」
緊張はするが、心を無心にすれば何とかなる。そう思い込んで、何とかコンソールの操作を続行した。
だが、意外にも回路が複雑で集中してしまい、簪が隣にいることなんてすぐに忘れた。
そのまま作業をすること30分。
「……ふぅ、取り敢えずこんなもんか…………」
「終わったの…………?」
「うわっ!」
すぐ隣で声が聞こえた為、俊吾は声を上げながら後ろに移動した。
「あ、ごめん……驚かせるつもりはなかった…………」
「あ、いや、こちらこそ、変に驚いちゃったし……ごめん」
あれ、俺なんで謝ってるんだ?まぁ、良いか。わざわざ言った謝罪の言葉を取り消すわけにもいかないし。
「そういえば、簪さんはずっと俺のコンソールの操作見てたの?」
さっきの状況を思い出し、率直な疑問を投げかけてみた。
「うん……少しでも参考になればいいと思ったから…………」
……意識が高いなぁ、この子。素直にすごいと思う。
「それで、参考になった?」
俊吾がそう言うと、少し口篭りながら言った。
「良く……分からなかった……やっぱり私は回路に向いてないみたい…………」
いや、あなたの本職はISを操縦することでしょう。自分でIS作ってるけども。
「まぁ、その何だ」
俊吾はコンソールを片付けながら言った。
「分からないことはそれでいいんじゃないかな。人間、誰しもが苦手分野ってのがあるわけだしさ。だから、そういうことがあったら誰かに頼ればいいんじゃないかな」
説教臭くなりそうだから、面と向かって言わなかったけど、正解だったな。今、凄い恥ずかしいし。まぁ、でもここまで言ったら最後まで格好つけないと……。
「俺は頼られれば絶対に助けるからさ」
俊吾は簪の方向に振り返りながら言った。簪はある一点を見つめており、俊吾の言葉を聞いてないように思われたが、少しすると
「うん……ありがとう……少し…………気が楽になった……」
「ま、今日の所は寮に戻ろう。時間も時間だし」
簪はそう言われ、時間を確認すると時計は6時半を指していた。外も既に薄暗い。
時間を確認し、忘れ物もないか確認して二人は整備室を出た。
「さて、鍵返して寮に戻るか」
「うん……」
しばらく二人で歩いていると
「あ……あの…………」
と簪が言った。どうしたと思いながら、俊吾は立ち止まる。
「大海君……ううん…………俊吾君……」
名前に言い換える意味はあったんだろうか……。いや、野暮なことはやめよう。
簪は言葉を紡ぐ。
「明日も……手伝ってくれない…………
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