和平に向けて〜
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矜持が許さないでしょう。後日改めて陛下の意思を伺いたく思います」
「ジェイド!」
「兵を伏せられたらどうするんだ!」
ルークとガイが非難するが・・・
「その時は、この街の市民が陛下の敵になるだけですよ。先だっての処刑騒ぎのようにね。しかもここには導師イオンがいる。いくら大詠師モースが控えていても、導師の命が失われれば、ダアトがどう動くかお分かりでしょう」
「・・・私を脅すか。死霊使いジェイド」
「この死霊使いが、周囲に一切の工作なく、このような場所へ飛び込んでくるとお思いですか」
ジェイドが陛下に近づき・・・膝をつく。
「この書状に、今世界へ訪れようとしている危機についてまとめてあります」
「・・・これを読んだ上で、明日謁見の間にて改めて話をする。それでよいな?」
「伯父上、信じています」
「失礼致します・・・陛下」
俺達は街の宿屋に向かう。・・・ちなみに、あのジェイドの脅しはハッタリだ。
「なあ、愛依」
「なに?」
「さっき俺を止めたけど・・・」
「あ・・・うん。なんかさ、あそこは口挟まない方がいいかなって」
「・・・そうか」
「親子の記憶か・・・アタシにも・・・あるのかな。アタシは・・・父さんと母さんを・・・」
「あります」
「撫子・・・」
「愛依の母は愛依が大切だから守った。父はあなたを愛していたから死ぬ間際まで笑っていた。・・・愛依は・・・きっと愛されていましたよ」
「・・・!」
「そう言う意味でも“愛依”って名付けたんじゃないでしょうか。・・・よっぽど子煩悩だったんでしょうね」
「う・・・そう、かも」
「それに」
撫子が愛依を見上げる。
「愛依には私達がいます」
「・・・撫子」
「咲さんも黒羽さんも知也さんも・・・そして私がいます」
「そうだね・・・あーあ、アタシっていっつも支えられてばっか。・・・ここにいるみんなには、何をされても文句は言えない位酷いことをしたのに・・・」
「それは気にしてません」
黒羽や知也も口を挟む。
「むしろベクトル操作を破ったんに感心してるよ」
「俺もお前の友達の腕撃ち抜いちまってるしなぁ・・・それに、お前自身にはなんも被害を受けてないし」
「・・・俺は前にも言ったけど、感謝している。確かに原因を作ったのは愛依だけど、恋を殺したのは俺だ。・・・俺は・・・恋に恨まれていても・・・てぇ!?」
知也に頭を叩かれる。
「あのな、剛鬼が聞いたらキレるぜ?・・・最後に恋は何て言ってたんだよ」
「あ・・・」
『咲・・・大、好・・・き・・・・・・』
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