和平に向けて〜
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カルへ。
「ナタリア殿下・・・!お戻りになるとは・・・覚悟はよろしいのでしょうな!」
城の前に立つ兵士が武器を構えるが・・・
「待ちなさい」
イオンが前に出る。
「私はローレライ教団導師イオン。インゴベルト六世陛下に謁見を申し入れる」
「・・・は、はっ!」
「連れのものは等しく私の友人であり、ダアトがその身柄を保証する方々。無礼な振る舞いをすれば、ダアトはキムラスカに対し今後一切の預言は詠まないだろう」
「導師イオンのご命令です。道を開けなさい」
アニスが言うと兵が立ち退く。
「・・・導師様が脅迫か?」
俺が笑いながら言うと、イオンも笑みを返してくる。
「非常時ですので」
「く、くくく・・・」
また余計な邪魔が・・・いや、その邪魔を成敗するためにもインゴベルト陛下の元に急ぐ。
「お父様!」
「ナタリア!!」
「へ、兵達はなにを・・・」
「伯父上!ここに兵は必要ない筈です。ナタリアはあなたの娘だ!」
「・・・わ、私の娘はとうに亡くなった・・・」
「この・・・!」
俺が踏み出そうとした時、愛依が俺を止めた。・・・それと同時にルークが叫んだ。
「違う!ここにいるナタリアがあなたの娘だ!十七年の記憶がそう言ってる筈です!」
「ルーク・・・」
「・・・へ。お前の受け売りだけどな」
ルークはティアを見て笑う。
「記憶・・・」
「突然誰かに本当の娘じゃないって言われても、それまでの記憶は変わらない・・・親子の思いでは二人だけのものだ!」
「・・・そんなことはわかっている。わかっているのだ!」
「だったら!」
「いいのです、ルーク」
ナタリアが迷いを捨てた目でインゴベルト陛下を見る。
「お父様・・・いえ、陛下。私を罪人とおっしゃるならそれもいいでしょう。ですが、どうかこれ以上マルクトと争うのはおやめ下さい」
「あなた方がどのような思惑でアクゼリュスへ使者を送ったのか、私は聞きません。知りたくもない。ですが私は、ピオニー九世陛下から和平の使者を任されました。私に対する信をあなた方の為に損なうつもりはありません」
イオンが言うと・・・そこにジェイドが付け足す。
「恐れながら陛下。年若い者に畳み掛けられては、ご自身の
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