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真剣で武神の姉に恋しなさい!
箱根 前編
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した。軽く頭をなでると千李は踵を返しバスに乗り込んだ。

 皆は驚いていたが、バスに乗り込んでいった。バスが発車ししばらくすると、由紀江がなかなかの剣幕で千李に詰め寄った。

「大丈夫なんですか瑠奈さんは!?あんなに小さいのに……」

「大丈夫よまゆっち、瑠奈自身が勝負したいって言ってんだからあの子の気持ちをくんでやらないとね。それにそんな柔な鍛え方してないわよ瑠奈は」

 心配そうな由紀江とは裏腹に、千李はそれを笑って返す。それだけ瑠奈を信じているのだろう、千李の目にはわが子に対する、絶対の自信が宿っていた。

 百代もそれを見ると小さく笑った。

「ま、確かに姉さんの言うとおりだな。実際瑠奈の体力はかなりのもんだし、ワン子にだって引けをとらないだろうさ、場合によっては三人の中で一番最初に到着するかもな」

 軽めに言っているように見えるが、百代も瑠奈を信じているのだろう。

 そしておよそ30分後、くねくねとした山道をバスが走り、目的地の旅館に到着した。旅館に到着しても、翔一はずっと眠っていて時折株がどーのこーの、と寝言を言っていたが目覚める様子はなかった。

 リーダーが不在のため、千李が指揮をとることとなった。

「普通は百代じゃないの?」

「双子だけど姉さんの方がしっかりしてるからな、というわけでよろしく頼む」

「はいはい、んじゃ風呂は入りたくなったら入りなさい。まだ三人が来てないから旅館敷地からは出ないこと、それ以外は好きに行動しなさい」

 それだけ告げると、皆思い思いの行動をとり始めた。千李はというと、旅館のロビーで1人椅子に座り、本を読んでいた。するとそこへ大和がやってきた。

「千李姉さん」

「おー大和どうかした?」

「ちょっとね、今ワン子たちが何処にいるかとかわかる?」

「ええ、すこし待ってなさい……」

 それだけ言うと、千李は読んでいた本をテーブルに置き、目を閉じると

「今あの三人は山の中腹あたりかしらね、順番は……お、一子とクリスが同列一番で瑠奈が少し遅れてるわね」

「ワン子とクリスはまぁそうだけど、それに食いついてる瑠奈も凄いね……やっぱり鍛え方が凄いの?」

「鍛え方自体は一子と変わらないけど、瑠奈が前いたとこは湘南だからね、夏場は毎日海で泳いでたみたい。だから体の基礎は出来上がってるのよ、体力も元からあったしね」

 説明する千李はなかなか嬉しそうだ、妹の一子もかわいいのだろうが、愛娘である瑠奈が弾場っているのが嬉しいのだろう。

「実際瑠奈の強さってどんなもんなの?」

「実戦経験が段違いだから、そりゃあ一子のほうが強いわよ」

「やっぱり実戦って役に立つもんなの?」」

「ええ、実戦は強くなるためには必要
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