第三十六話 浴衣を着てその六
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「そこに、あと八条グループからもね」
「そういえばあそこお酒もやってたな」
「それでなのよ」
八条グループからもお酒のお供えがあるというのだ。
「凄く来るから、それで夏祭りの時にね」
「出すんだな」
「日本酒ね」
御神酒といえばこれだ、流石にビールやワインを御神酒にはしない。
「それをお供えしてくれるのよ」
「有り難いわね」
彩夏はここでは秋田小町として語った。
「やっぱりお米から造ったものっていいわよ」
「秋田でもそうよね」
「ええ、私他のお酒も好きだけれど」
景子に対してにこにことして語る。
「やっぱりね」
「日本酒もなのね」
「清酒も濁酒も好きなの」
そのどちらもだというのだ。
「飲むのならね」
「好きなのね」
「出店のお店で食べるものと合うし」
共に日本の料理だからであろうか、お好み焼きやたこ焼きにはビールが一番だが日本酒もまた合うのである。
「いいわよね」
「そうよね、た濁酒も飲むのね、彩夏ちゃんって」
「あればね」
その時は飲むというのだ。
「好きよ、あっちも」
「濁酒ってマッコリがそうよね」
里香は綾夏に韓国の酒のことを言った。
「あれもそうよね」
「ええ、あれもそうよね」
「お米から造っててそれで濁ってるから」
「そうなるわよね」
「アルコール度も変わらないし」
濁酒の方が清酒よりアルコール度は低い、ただ酔い方は濁酒の方が悪い。
「そうよね」
「マッコリって甘いでしょ」
「ええ、かなりね」
「清酒と比べてもかなり甘いから」
清酒は辛いものもある、日本酒であっても様々な味があるのだ。
「癖が強いわね」
「じゃあマッコリをお供えにする人も?」
「そういう人はいないわ」
景子は里香の今の言葉にすぐにこう答えた。
「やっぱり日本酒よ」
「マッコリはないのね」
「同じお米のお酒でもね。ただ最近は八条学園にも留学生が多いから」
この学園は世界中から留学生を受け入れている、国際色も豊かな学園なのだ。
「ビールとかワインもあるみたいよ、お供えに」
「そっちも出すの?」
「今宮司さん達がどうしようかってお話してるの」
ビールやワインも夏祭りで出すべきかどうかということをだというのだ。
「出していいのかって」
「やっぱり神社だと日本酒だよな」
「ええ、御神酒にはね」
景子は少し考える顔になって美優に答えた。
「それだから」
「決まってるのかよ、その辺り」
「そうね、かなりね」
「神事にはなんだな」
「お米って日本人には特別なものじゃない」
主食であるがそれ以上のものだというのだ、どこぞの野蛮人の如き粗野な新聞記者とその父親で傲慢な美食家が偉そうに言い登場人物も蛮人ばかりの似非グルメ漫画ではないが神道においては
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