暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
逃亡〜
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てくれているわ」

「そうですわね。私のために、みんな・・・」

「感謝の気持ちは、オールドラントを救うことで表せばいい。今この大地に危険が迫ってるのを知っているのは俺達だけだ」

「・・・ええ」

ガイが言うと、ナタリアも頷く。

「この先は何処に繋がってるんですか?」

撫子が尋ね、アニスが答える。

「確かベルケンドだよね」

「なら、そこでアッシュさんと落ち合いましょう」

そのまま歩を進めるが・・・俺は気分が悪くなり、足を止める。

「咲?」

愛依が不安そうに聞いてくる。

「・・・嫌な気配がする」

「そう言えば、聞いたことがあるな」

ガイが言うには、この湿原にはタチの悪い魔物を封じ込めているらしい。その魔物はある花が苦手で、その花で湿原を覆って閉じ込めたとか・・・

「まさか、そんなのいるわけ・・・」

ルークが口にした瞬間、全員が固まる。遠くに、巨大な魔物がいたからだ。俺達は全力で逃げる。

「じょ、冗談じゃねーぞ!」

「あの魔物が・・・さっきの話の・・・」

「あの魔物と戦っても、此方に利益はありません。それに、今の私達では、まず倒せないでしょう」

「どうして倒せないって言い切れますの?」

「単純な強さだけで倒せるのなら、過去の討伐隊が倒しちまってるって!」

「そういうことです。今は逃げましょう」

ラフレスの花を上手く利用しないとな・・・

「・・・」

不意にナタリアが立ち止まる。

「どうした、ナタリア?」

「あ・・・いえ。何でもありませんわ」

「体調でも悪いのか?」

知也が聞いた時、例の魔物が現れた。

「きゃあっ!?」

「しまったわっ!」
「まずい!」

ティアが譜歌で怯ませ、ルークが斬りつける。

「アニス!ラフレスの花粉を!」

「はいっ!!」

魔物は逃げるように遠ざかっていく。

「今のうちにここを離れよう!」

そのまましばらく逃げるが・・・再びナタリアの注意力が散漫する。

「・・・ジェイド。休憩!」

それにいち速く気付いたガイがジェイドに言う。

「やれやれ。あなたもお人好しですね。さっきのこともありますから、周りには気を付けてくださいよ」

「ああ。こんなところでナタリアが怪我でもしたら、バチカルのみんなが泣くからな」

「そうだよねぇ。ナタリアって愛されてたんだぁってびっくりしたもん」

「ナタリアは公共事業を取り仕切ってるんだ。その収益を病気の人とかに施したりとか・・・尊敬されてんだよ」

「ルークが王子だったら、ただ王室で贅沢三昧だな」

「確かにな」

「・・・」

ガイと俺の言葉にルークが沈黙する
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