−吸血鬼の貴婦人−前編−
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。
「俺も、ペガサス会長とそんな話をした訳じゃないからな…分からん。」
「チィッ…貴様が持っているのに、俺が使えないのは我慢ならん!」
「…随分、子供っぽい理由なんだな…」
良く言った隼人。
「みんな。そろそろ授業が始まる時間だ。」
三沢の呼びかけに、みんなが「また来る」との声を残して去って行った。
…明日香を除いて。
「おい、明日香。授業行かなくていいのか?」
「私は、今日から保健室で遊矢と兄さんの看病を担当するのよ。」
明日香が、看病だと…?
「…お前、看病なんて出来るのか…?」
「で、出来るわよ!」
言うや否や、火傷の薬や包帯をとってくる明日香。
「明日香?」
「あなた、兄さんのレッドアイズの攻撃で火傷してるでしょ?だからよ。」
そう言って、いそいそと火傷薬を手に取る明日香。
すまないが…
「鮎川先生を呼んできて欲しい。」
「…私じゃ、ダメなの?」
グハッ!
唇を尖らせる明日香に、とてつもない罪悪感が俺を襲う。
だが。
「お前が持っているのは消毒液だ。」
火傷薬と消毒液を間違える奴に、看病をして欲しく無いのも事実だった。
「え?…ご、ごめんなさい…今、取り替えてくるわね。」
顔を赤くしながら、今度はキチンと火傷薬を持ってくる。
「それじゃ、足出して。火傷薬、塗ってあげるわ。」
「それぐらい、自分でやるさ。火傷薬貸してくれ。」
「駄目よ!ケガ人なんだから!」
明日香は、火傷薬を絶対に渡してくれなさそうだった。
確かに、心配してくれるのはありがたいが…
「これぐらいのケガ、なんともないって。」
「いいから!」
決して退こうとしない明日香。
何がお前をそんなに駆り立てるんだ?
一進一退の攻防戦…もとい、火傷薬の奪い合いをしていた時、保健室のドアが開いた。
「あら…ごめんなさい明日香さん。お邪魔しちゃったみたいね。」
入って来たのは、オベリスク・ブルー女子寮長にして保健室の養護教諭、鮎川先生だった。
「お邪魔…?」
「そ、そんなことないです鮎川先生!」
お邪魔って何だよ。
むしろ俺は助かったぞ。
「それより遊矢くん。あなた宛てに、大量のカードが届いているのだけれど…」
そう言って鮎川先生が取り出したのは、ぎっしりと詰まったカードボックス。
もしかして…ペガサス会長がもう届けてくれたのか?
「とりあえず渡しておくわね。」
「どうもありがとうございます。」
鮎川先生からカードボックスを渡してもらい、開けてみると…
−中には、大量のカードが入っていた。
「すご
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