−吸血鬼の貴婦人−前編−
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方不明となったらしい。
「じゃ、その兄さんは…」
ダークネスは、俺に負けた後に、カードの中に封印された。
つまり、俺に封印されたのだ。
「兄さんは、そこよ。」
「え?」
明日香が指を指した先に、茶髪の生徒が死んだように眠っていた。
「私には良く分からないのだけれど…黒い仮面が、兄さんを操っていたらしいの。」
確かにダークネスは、黒い仮面を付けていた。
「だから、カードに封印されたのは仮面の方で、兄さんは闇のデュエルの影響で倒れているみたい。」
「はは…良かった。明日香の兄さんを封印していなくて…」
「兄さんを帰ってこさせてくれて…ありがとう。遊矢。」
「ただ、闇のデュエルで勝っただけだよ。俺は関係無い。」
明日香の笑顔を直視出来ず、顔を背けながら答えた。
「そういえば遊矢。兄さんとデュエルした時に出した、あの機械の竜って何なの?」
「ああ、そういえば、まだ言ってなかったな。」
先日、シンクロモンスターについての説明を明日香たちにしていなかった。
「あれは、デュエルモンスターズでの新たな召喚方法。シンクロ召喚だ。」
「…シンクロ、召喚?」
まあ、言っても分からないよな。
「詳しいことは、後でみんなが来た時に話すよ。」
それから、明日香と世間話をしていると、セブンスターズの関係者…三沢、亮、万丈目、十代と翔と隼人…が来た。
先日の闇のデュエルに関しては、明日香に聞いていたらしく、俺の回復を喜んでくれた後、(約一名、悪態をついたサンダーがいたが)俺が使った、シンクロモンスターの話になった。
「なるほど、《融合》の魔法カードが要らない代わりに、フィールドにモンスターとチューナーを出す必要があるモンスターか。」
「流石は三沢。聞いただけで良く説明出来るな。」
「それより、そのシンクロモンスターって奴を見せてくれよ!」
十代が詰め寄ってくる。
…お前は…
「これがそのシンクロモンスターの一体、《パワー・ツール・ドラゴン》だ。」
エクストラデッキからパワー・ツール・ドラゴンを取り出す。
「格好良いッス!」
機械族つながりか、翔が一番早く反応した。
…ように見えたが、その後ろに翔の兄…亮が食い入るようにパワー・ツール・ドラゴンを見ている。
確かに機械の竜(サイバー・ドラゴン)だが、なんだろう、何か思うところでもあるのか?
「それで遊矢。シンクロモンスターとやらは、いつ頃発売されるんだ?」
「お前ならそう言うと思ってたよ、万丈目。「さんだ!」」
もう、俺は意地でも呼び捨てを続けることにしていた。
…まあ、元々、万丈目をさん付けする人物などいないのだが
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