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三年坂の女
第五章
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「そうです、誰が最初にそう言ったのかわかりません」 
 転ぶと三年で死ぬ、その呼び名を。
「三年以内という話もありますし」
「そlこは色々なのですね」
「しかし先生は助かりました」
「赤城先生のお陰で、ですね」
「私のお陰かどうかはわかりませんが」
 この辺りは苦笑いで言う赤城だった、こうしたことをはいそうですと言うことは彼の性格からは出来ないのだ。
「しかし先生が助かって何よりです」
「そうですね、これからは坂も注意して歩きます」
「それが一番ですね」
 二人でこう話して産寧坂を降りていく、今坂にあの女はいない。ただの平穏で綺麗な歴史のある石階段の坂に過ぎない。転んでいないからこそ。


三年坂の女   完


                         2013・4・29
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