帰還〜
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たいな』
「ここからだと停泊可能な港で一番近いのはケテルブルク港です」
「じゃあ、そこへ行こう。いいだろジェイド」
『・・・まあ・・・』
「随分乗り気じゃないな?」
『・・・こちらにも事情があるので』
そう言った後、ケテルブルクに到着したらマルクト兵が話しかけてくる。
「失礼。旅券と船籍を確認したい」
「私はマルクト帝国第三師団所属、ジェイド・カーティス大佐だ」
「し・・・失礼いたしました。しかし大佐はアクゼリュスで・・・」
「それについては極秘事項だ。任務遂行中、船の機関部が故障したので立ち寄った。事情説明は知事のオズボーン子爵へ行う。艦内の臨検は自由にして構わない」
「了解しました。街までご案内しましょうか?」
「いや、結構だ。私はここ出身なのでな。地理はわかっている」
「わかりました。それでは失礼します」
「へー、ジェイドってここの生まれなんだ」
「気が進まなかったのも里帰りだからか?」
「・・・まあ、ね」
「あの、修理はどうするんですか?」
愛依が尋ねる。
「それも知事に報告して頼みましょう」
「よし、じゃあケテルブルクへ急ごう」
俺達はケテルブルクへ向かう。・・・ケテルブルクの空は曇と雪が支配していた・・・
ケテルブルク〜
「・・・そろそろ来るか」
ケテルブルクのホテルの一室、呟いたのは独特な髪の色の中性的な少年。
「そ、そうですか・・・」
・・・一方、茶髪の少女は毛布にくるまりガクガク震えていた。
「・・・いつまでそうしてるんだよ、撫子」
「寒いものは寒いんです。・・・いきなり雪山に放り出されて・・・冬眠するかと思いました」
「お前は熊か?第一、ここは暖房効いてるし寒くないだろう」
「何で黒羽さんは平気なんですか・・・」
「そりゃ、色々・・・な」
「と、とにかく。私はここから動きたくありません。次に外に出たら本当に冬眠してしまいます」
その言葉に黒羽は呆れる。
「・・・まあ、咲が来るまでもう少しだろうし。あんまり急かす必要もないか・・・」
撫子は更に毛布を重ね、横たわる。黒羽も欠伸をしながらベッドに入り込んだ・・・
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