第28話 誓約
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か方法がない以上、ある程度の対策。金属に因り傷付けられる事を禁じる、などの仙術で身を護って居る可能性も高いはずですから。
俺たちだって、物理反射や魔法反射の呪符を貼り、有希には木行無効の護符も既に装備して貰っているのですからね。
しかし……。
「そう言えば、老君からの伝言が有りましたね。その時は、オマエが対処しろ、だそうですよ」
涼しい顔で、そう答える亮。コイツ、前に会った時と別人やないか。
但し、これがコイツの本性。そして、ジイさんの方も相変わらず、仕事をしようとしない仙人そのものの対応。
故に、あのジイさんは妖怪食っちゃ寝。命名は俺。
それにしても……。
禁呪を禁止する仙術は……。ヤツの抵抗が大きい可能性が高いからかなり厳しいか。
針に金属以外の属性を与える。
いや、それを行っても、相手の施した術式を完全に解読しない限り、効果のある術を組むには時間が掛かる。
俺は、自らの傍らに佇む少女に視線を向ける。
彼女の方も、俺を真っ直ぐに見つめ返した。但し、どうやら彼女の方は、俺の視線に気付いたからこちらに視線を移した訳では無く、初めから俺の横顔に視線を送って来ていたと言う事。
そうして、
彼女の視線に不安げな雰囲気はない。これは彼女が俺の事を信じてくれている証拠。
その視線に、思わず自嘲的な笑みを漏らして仕舞う。
こんないい加減で、行き当たりバッタリの適当な人間の何処に其処までの信頼が置けるのか。その辺りに対する自嘲が、思わず笑みの形と成って表面に現れて仕舞っただけ。
しかし……。
しかし、その笑みの後に、ゆっくりと首肯いて見せる俺。
そうして、
「策は有る」
有希と、そして何より自らを安心させるように落ち着いた口調でそう言う俺。
そう。確かに策は有る。そして、その策は既に彼女には告げて有る。
次善の策として。
「もっとも、あれは最悪の想定。最初の段階で針がひとつでも刺さってくれたら、いくら不死身の邪神とは言っても、俺と正面から戦う事は出来なくなるはずやから」
次善の策については、時空結界の施されたあの喫茶店で彼女には説明をして有るから大丈夫。
それに、ここが幾ら水晶宮とは言っても、それを過信する訳には行きませんから。
何故ならば、今夜、異界化した東中学で直接相対する敵は羅?悪大星君ですが、この世界は這い寄る混沌の暗躍の気配を感じる世界で有り、今回の事件は、ヤツに代表されるクトゥルフの邪神が関係する事件から始まった事件ですから、警戒し過ぎるぐらいでちょうど良いはずです。
まして、俺が口にしたように、最初の針に因る攻撃が成功したら問題は有りません
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