第五章 StrikerS編
第百三十三話 『フィアットのシホ観察記録』
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わかりました」
「それじゃ始めるわね」
そしてお姉様は宝石剣を構える。
すると宝石剣から七色の光が溢れ出して魔法陣も赤く光り出す。
「…―――私のイメージする時代と時期、場所へと接続…座標、固定」
お姉様は目を瞑りながらそう呟き、それから私達でも分からない難しい詠唱を唱え始め出す。
すると少しずつだが目の前にリインサイズなら通れそうな穴が展開し開き出す。
リインはその穴を覗き込んだようで驚きの声を上げた。
「はやてちゃんが、氷の中に閉じ込められているです!」
「…座標は正確に合っていたようね。よかったわ」
お姉様は無事に成功して安堵の息を吐く。
でも宝石剣を構えているままだ。
きっとこれを解くとこの実験も終わってしまうのだろう。
「さぁ、リイン。今、はやての心は折れかかっているわ。だからあなたが救うのよ」
「はいです! ですが、どうやって救えば…?」
「はやてを思いながら語りかけなさい。
そうすればはやてにもきっと言葉は届くはずよ。
時間も有限だからそう長く平行世界の間を繋いでいられないわ。
だから、早く済ませてね?」
「わかりましたです」
それでリインは一度目をつぶり息を何度も吐いたり吸ったりを繰り返す。
そして真剣な表情になり、
「いきますよー!」
と、大声を上げる。
そして優しい声を出して、
「大丈夫ですよ、はやてちゃん…」
《誰…?》
ッ! 今、はやての声が私にも聞こえてきました。
「はやてちゃんはとっても強い人です。だからこんな悪夢もすぐに抜け出すことができます…」
《…あなたは、誰なんや? どうして、私の事を…》
「はやてちゃんは知らなくても、私はよく知っています…」
おそらく向こう側でははやては誰なのか考えていることだろうと思います。
でも、耳を傾けてください。
リインは、あなたの家族なのですから。
私は思わず手に汗を掻きながらこれが成功することを祈った。
「こんな氷、はやてちゃんならすぐに壊せるはずです!」
《…無理や。体が一切動かせへんのよ?》
「…それは意思がまだ弱いからです…。
もっと、強く想ってください。
シグナムやヴィータちゃん、ザフィーラやシャマル…そしてアインスに士郎パ…じゃなくて士郎さん、キャスターさん、アルクェイドさん、志貴さんの事を。
はやてちゃんの大事な家族、大事な友達、大事な思い出、強い意志、強い心…。
それらをはやてちゃんが心から望めば、きっと奇跡は起きます。だから諦めちゃダメです!」
…今、かなりのシリアスモードなのにうっかりリインは士郎さんの事を士郎パパって言いそうになりましたね。
まぁ、目を瞑っておきましょうか。
《…私にも、できるかな? そんなすごいことが…》
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