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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十七話 強制捜査
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なければならないと思っていた。先ずルビンスキーだが彼は味方だ、行方を詮索するのは止めよう」
『良いのか、それで』
訝しそうな表情だ。キスリングはルビンスキーを危険だと判断している。何処かで始末したい、そう思っているのだろう。可哀想な奴だな、ルビンスキー。皆がお前を殺したがっている。俺もだ。

「フェザーンで騒動を起こさせるのが先だ。ここで詮索するとこちらを警戒して動きが遅くなる恐れがある。詮索するのは騒動が起こってからでいい」
『なるほど、先ずは騒動か、……油断させる事にもなるな』
「そうだ、彼を排除するのはその後だ」
キスリングが頷いている。そして表情を改めた。

『こっちも報告する事が有る。ランズベルク伯の事だ』
「何か分かったか」
『後援者が分かった。アルバート・ベネディクト、フェザーンの商人だが極めて評判の悪い男だ』
アルバート・ベネディクト? 原作には出てこないな、何者だ? こいつがルビンスキーと絡んでいるのかな?

『ラートブルフ男爵に聞いたのだが内乱が起きる前は貴族と組んでかなりあくどく稼いでいたらしい。貴族の没落は結構痛手だっただろうな』
「その男はランズベルク伯と組んでいたのか?」
悪徳商人とへぼ詩人? どうもイメージが湧かない、それともランズベルク伯は上手く操られていたのか……。

『いや、二人が出会ったのは内乱後だ、内乱前に繋がりはない。この件についてはランズベルク伯の旧家臣に確認したから間違いはないだろう』
「……」
『アルバート・ベネディクトについて調べたんだが前フェザーン自治領主、アドリアン・ルビンスキーと密接に繋がっていたという噂が有った。念のためボルテック弁務官に確認したよ』
「……それで」
スクリーンに映るキスリングが笑みを浮かべた、冷笑の類だ。

『アルバート・ベネディクトは確かにルビンスキーと繋がっていた。正確に言えばフェザーン自治領主府とだ。彼はフェザーンの裏の仕事を手伝っていたらしい』
「裏の仕事?」
キスリングが頷いた。

『破壊工作とか暗殺、或いは表に出せない交渉だ。彼はフェザーンの非合法な活動の部分を請け負っていたんだ。時には貴族と組んで非合法な事もしていたようだな。それ自体、貴族の弱みを握る事になる』
「……ボルテック弁務官がそう答えたのか?」
『渋々ね、あまり表には出せない事だからな』
「なるほど」

なるほどな、フェザーンの闇の部分を請け負う男か、そういう男が居てもおかしくはないだろうな。原作だとルビンスキーの傍で協力しているのはドミニクぐらいしか出てこない。しかも信頼関係が有るとはお世辞にも言えない状態だ。妙だとは思っていたが……。

フェザーンからの仕事を通じて貴族達の弱みを握りあくどく儲けてきたか、海千山千の喰えない男だろうな。ラ
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