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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十七話 強制捜査
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バッハの二人が憲兵隊のボイムラーに確認をとり可能だと回答が有ったのは三時半だ。可哀想にユスティーナは俺が寝室に戻るまで寝ずに待っていた。爺様連中には朝の六時に連絡を入れてこの会議の招集を行ったが年寄りは朝が早い、皆起きていたな。

「可能なのだな」
俺とルーゲ伯がリヒテンラーデ侯の問いに頷くと侯がエーレンベルク、シュタインホフに視線を向ける、二人が頷いた。それを見て侯が“良いだろう”と許可を出した。

「暫くの間、不自由かもしれませんが身辺の警備を厳重にしてください」
「分かっている、だがそれは誰よりも卿に言える事であろう。地球教は卿を標的にしているとルーゲ伯からも聞いている」
「十分に注意します、シュタインホフ元帥。しかし向こうも追い詰められれば手当たり次第という事も有り得ます、注意が必要かと」
「うむ」
爺様連中が顔を見合わせてウンザリした様な表情を見せた。相手はキチガイだからな、いざとなれば手当たり次第だろう。厄介な連中だ。

「それと遠征の準備を始めたいと思います。早ければ半年後にはフェザーンで騒乱が発生します。機を逃さずに一気にフェザーン、イゼルローンに攻め込むべきでしょう」
リヒテンラーデ侯が皆の顔を見た。それに応えて皆が頷く、決まりだな。
「良いだろう、それで他には何か有るか」
リヒテンラーデ侯の言葉に答える人間は居なかった……。

会議終了後ルーゲ伯と話し憲兵隊と広域捜査局にはルーゲ伯から連絡をする事になった。命令系統は一本化した方が良いし俺が広域捜査局に連絡するとヴェンデルが気付くかもしれん。用心するに越したことは無い。ルーゲ伯も俺の考えに同意してくれた。結構頼りになる爺さんだ。俺の親父とは親しかったようだがどんな関係だったのだか……、気になるところだな。

宇宙艦隊司令部に戻るとキスリングから連絡が欲しいとメッセージが有った。多分フェザーンの件だろう。丁度良い、こちらも連絡しようと思っていたところだ。だがその前にあの男をここに呼ぶ必要が有る。ヴァレリーに頼んでから会議室に行きキスリングを呼び出した。

『エーリッヒ、待っていたぞ』
「そうか、ギュンター、ボイムラー准将から話は聞いたか?」
『ああ、聞いた。ルビンスキーが寝返ったか、予想外だな』
「狂信者揃いの地球教とルビンスキーでは合わないさ、決裂は当然だろう。まあこっちに寝返るのはちょっと想像はしていなかったが」

付け入る隙が有ると見たのかな、だとすると随分と甘く見られたものだが……。始末するのは難しいかもしれん。取り敢えず受け入れて監視下に置くか……。その上で病死させる。悪性の脳腫瘍だったな、手術ミスは良くあることだ、珍しくも無い。医療ミスを訴える人間は居ないだろう。

『それで、フェザーンだがどうする』
「その件で私も卿と話さ
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