暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第38話 蘇生の花を求めて
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と言うイベントが発生する。その機を逃さず、餌などを与え、飼い慣らす事が出来ると、即ち、≪テイミング≫に成功すると使い魔として様々な手助けをしてくれる貴重な存在となる。
非常に稀な存在であり、様々な層を闊歩し、長時間モンスターたちが生息するフィールドにいるリュウキでさえ、起こっていないイベントだから。
だが、そのモンスターの性質は判る。
(……テイムドモンスター。使い魔のシステムAIプログラムはそんなに高度じゃない、単純な動作しか出来ない。以前アルゴにも訊いたが、行動の数は、約10種類。命令を含めてその数だ。……その中に、《主を身を挺して守る》そんな項目は無かった筈だが……)
リュウキが気になったのはその部分だ。ただのデータの羅列である筈のデジタルデータ。それだけでは説明がつかない。使い魔が、アルゴリズムから明らかに外れた行動をとる事。彼女が、意図的に手を加えたはずはなさそうだ。 そのピナと言うモンスターを失い、ここまで悲しんでいるのだから、そんな命令を下すとはどうしても思えない。
なら、どうやって? プログラムに独自の自我が生まれたとでも、言うのだろうか。
リュウキがそこに少し注目したのは、現実での仕事の影響もあるだろう。
「落ち着いて、その羽根だけど アイテム名が何か設定されているか?」
キリトが落ち着いてきたとは言え、まだ取り乱して、涙で顔を覆われている彼女にそう聞いた。……彼女は、キリトに言われるまま、確認する。
彼女は思えばおかしいと感じた。ピナが消滅してしまった場所で、1枚だけ羽根が残っているなんて、と。これまでで プレイヤーにしろモンスターにしろ、死ねば全てが四散する。装備も何もかも残らず消え去るのだが、ピナは一部を残している。
シリカは、恐る恐るウィンドウに手を、指先を伸ばした。まるで、そのピナを追いかける様に。
そして、表示されている羽根をタッチすると、ウインドウの中に、重量とアイテム名が浮かび上がった。
「ッ……。」
その羽根の名は、≪ピナの心≫だった。
それを見て、涙を更に流す。失った、失ってしまったと言う事を再認識してしまったから。
「うっ……ううっ……ピナっ……ピナぁぁッ………。」
シリカに再び……悲しみと後悔が押し寄せてくる。その羽根が、心が、まるでピナの形見の様に思えてしまったから。形見の存在が、死をより近く感じさせられていた。失ってしまった事を。
「あっ 待った待った! 落ち着いて、ピナの心が残っているのならまだ蘇生の余地があるから」
泣き出す寸前のシリカに慌ててキリトがそう答える。この話が発生したのは、最近なのだが 上層では有名な話だ。下層〜中層間では、まだ出回っていない可能性が高い。だからこそ、彼女
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