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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十四話 闇の書の覚醒
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。
それでもなお、先の一撃で傷ついた拳を握りしめ
「でりゃあああ!!」
拳を振るうがシールドは破れず、力なく倒れた。
同じようにヴィータも倒れる。
最後に残ったのはシグナムとシャマルが着ていたコートと魔力を蒐集され辛うじて形が残っているヴィータとザフィーラの残滓のみ。
あまりの光景に呆然とするなのはとフェイトはそのままクリスタルゲージに捕らわれる。
二人の実力なら数分もあれば出れるだろうが、仮面にとってはそれで充分だった。
「闇の書の主、目覚めの時だな」
「いいや、終焉の時だ」
その言葉と共に仮面の姿はなのはとフェイトに変わる。
偽物の前に転送されるはやて。
病室にあったルーンの加護を失い、発作が大きくなり胸を抑えるはやて
「なのはちゃん、フェイトちゃん?
なんなん、なんなんこれ?」
いきなりの出来事にはやてが理解が追いつかず、困惑するが偽物はそれを無視し、はやてを見下ろしながら言葉を紡ぐ。
「君は病気なんだよ。
闇の書の呪いって病気」
「もうね、治らないんだ」
「闇の書が完成しても助からない」
「君が救われる事はないんだ」
一方的な通達。
はやてのもしかしたらという希望を潰し、罅を入れる呪いの言葉。
「そんな、ええねん。
ヴィータを放して、ザフィーラになにしたん」
「この子達ね、壊れちゃってるの。
私達がこうする前から」
「とっくの昔に壊された闇の書の機能をまだ使えると思いこんで。
無駄な努力を続けてたの」
「無駄ってなんや!
シグナムは、シャマルは」
偽物の言葉が理解できないと首を振り、はやてはここにはいない大切な家族を探す。
その言葉に偽物の視線がはやての背後に動く。
そんな偽物の視線を追い、後ろを向くとそこにあるのは見覚えのある服。
シグナムとシャマルが着ていたコートがただ風に揺れている。
もういないと突きつけられた現実。
「壊れた機械は役に立たないよね」
「だから壊しちゃおう」
カードを、手刀を構える偽物
「だ、ダメっ!
やめてっ!!」
「やめてほしかったら」
「力づくでどうぞ」
「なんで、なんでやねん。
なんでこんな」
必死にヴィータとザフィーラに手を伸ばそうとするが、無情にもその手は届かない。
「ねえ、はやてちゃん」
「運命って残酷なんだよ」
「やめ、やめて、やめてええっ!!!」
一瞬の衝撃と同時に消えるヴィータとザフィーラ。
手に入れた、ようやく手に入れた最愛の家族を奪われた少女を絶望の闇に落とし、闇の書を目覚めさせるには十分過ぎた。
「Guten Morgen, Meister.」
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