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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十四話 闇の書の覚醒
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 なのは、フェイト、シグナム、シャマルがビルの屋上で向かい合う。

 互いにバリアジャケットも騎士甲冑も纏わず、互いに手には得物もないが空気が張り詰める。

 その中でフェイトが静かに言葉を発した。

「シグナム、はやては」

 フェイトにもなのはにもわかっている事だろう。
 それでも一抹の願いを込めた問いかけ。

「察しの通りだ。
 我らが主だ」

 だがフェイトの言葉にシグナムは一切の迷いもなく答える。
 誤魔化しもしない。
 ただ我らが主を誇るように真っ直ぐと八神はやてと認めた。

「はやてちゃんが……闇の書の主」

 わかっていた事でも認めたくはない事実になのはとフェイトの心がわずかに揺れる。
 
「悲願はあとわずかで叶う」
「邪魔をするなら、はやてちゃんのお友達でも」

 明確な拒絶の言葉。

「待って、ちょっと待って。
 話を聞いてください。
 闇の書が完成したらはやてちゃんは」

 戦う気はないと言葉を発するなのは。
 そんななのはに一直線に迫るヴィータ。

「はあっ!」
「っ!」

 咄嗟にシールドを張るが、耐えきれずに屋上のフェンスに叩きつけられる。

 それが膠着していた空気を動かした。

「なのは!」

 フェイトの視線がなのはに向けられた瞬間。

「おおっ!」

 レヴァンティンを抜刀し、フェイトに斬りかかるシグナム。
 特技のスピードを生かし、回避と同時にバルディッシュを構えるフェイト。

「管理局に我らが主の事を伝えられては困るんだ」
「私の通信防御範囲から出すわけにはいかない」

 逃がさないと。
 目的のために逃がすわけにはいかないと覚悟を決めるシグナムとシャマル。

 そして、フェンスに叩きつけられたなのはを見下ろすヴィータは騎士甲冑を纏う。

「ヴィータちゃん」
「邪魔すんなよ。あともうちょっとで助けられるんだ。
 はやてが元気になって私達の所に帰って来るんだ。
 必死に頑張ってきたんだ。
 あともうちょっとなんだから……邪魔すんな!!」

 叩き込まれるグラーフアイゼン。

 その衝撃で屋上の一部が炎に包まれる。
 その炎の中からバリアジャケットを纏い、レイジングハート共に歩いて来るなのは。

「悪魔め」 

 涙を流しながら、なのはを睨むヴィータ。

「悪魔でいいよ。
 悪魔らしいやり方で話を聞いてもらうから」

 ヴィータの言葉にわずかに俯くがレイジングハートを握りしめ、敵意の眼差しを受け止める。

 なのはとヴィータのやり取りを見ながら

「シャマル、お前は離れて通信妨害に集中していろ」

 シグナムは冷静に判断を下し、その言葉に従い下がり騎士甲冑を
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