護堂、神殺しとしての覚醒
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っ二つにしてしまう可能性もあるので却下になった。その点、睡蓮は徒手空拳も得意だし、相手としては丁度いい。
「お前は、今から私に教わる身。よって、私の事は『ますたー』と呼びなさい。」
「・・・ま、マスター?」
何かがズレたような睡蓮に、護堂は既にタジタジである。
(・・・何でマスター?というか、何で巫女服?神様を殺した人なんだよな?)
色々と納得出来ない護堂だったが、この手の人間は逆らうとロクなことにならないと経験で知っているので(主に母親関係)、何故マスターと呼ばなければならないのかとか、何故マスターの発音が微妙なのかとか、何故神殺しなのに巫女服を着ているのかとかは聞かなかった。そもそも、彼女の姉はメイド服なんて着ている訳だし、そういう趣味の姉妹なんだろう、と納得した。
「それでは、始めましょう。」
護堂の沈黙を、了承の合図だと受け取った睡蓮は、取り敢えず模擬戦を始めるために構えを取った。
「・・・!」
睡蓮から発せられる気迫が、今までと大きく変化したのを感じ取った護堂は、無意識に腰を落とし、足を大きく広げた。何となくだが、そうしなければならないと思った。いかなる変化も見逃さないように、体全体に注目する。
「・・・フム、『ひよっこ』かと思っていましたが、やはり貴方も神殺しなのですね。その気迫は見事です。」
その台詞の直後・・・
「フッ・・・!」
「えっ・・・?」
ズダン!という音と共に、護堂は地面へと叩きつけられた。
「が、ハ・・・!」
あまりの衝撃に肺から空気が抜け、何が起こったのか理解できていない彼は目を白黒させる。
(今!・・・一体、何が起こった・・・!?)
「立ちなさい。お前の戦いは聞いています。何十回と殺されても、心を折らなかったそうではないですか。それに比べれば、この程度の痛みなど取るに足らない物のはず。」
冷たい瞳で、地に伏せた護堂を見つめる睡蓮。だが、一見冷たそうに見えて、内心では護堂のことを高く評価している。奪った権能があったとは言え、何度も何度も殺されて、それでも立ち向かえる人間は稀少だ(そもそも、一回殺されれば普通は死ぬのだが)。
(・・・そうだ、な。殺され続けたあの時に比べれば・・・!)
心臓が突き破られる時の虚無感と喪失感。目の前が暗くなり、からだから力が抜けていくのを自覚したときの恐怖。これを後何回繰り返すのかと、終わりの見えないマラソンのようなあの戦いに、何度も心が折れそうになった。
しかし、彼は生き残った。やり遂げた。絶望的状況でも決して諦めず、奇跡を勝ち取った彼が、たった一度叩きつけられたくらいで何だというのか?
「これは、戦いです。貴方に、カンピオーネの戦いとは、一体
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