裏通りの鍛冶師
とあるβテスター、お願いする
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人は誰しも、自分一人で生きていくことはできない。
僕みたいな弱い人間が、このゲームでここまでやってこれたのだって。
強くなろうと、思えたことだって。
それは、彼女が───シェイリがいてくれたからこそ、できたことなんだ。
「んなもん、最初から知ってたっつの。四本同時の投げナイフ使いなんて他にいるかよ。っつーか、パーティ組んだ時点で名前もわかるだろうが」
「じゃあさ、なんで僕を避けなかったの?僕、《仲間殺し》だよ?」
「はぁ?そりゃ……アレだろ。オマエ、実際にここで人を殺したってわけじゃねぇんだろ。だったら、避ける理由もねぇだろうがよ」
結局のところ。
嫌われてしまうだの何だのというのは、僕たちの勝手な思い込みだったんだろう。
現に、こうして。
最初から全てを知っていても、それでも尚、変わらずに接してくれる人だっているんだから。
「ん……そっか。まあ、そうだよね。ありがと」
「はぁ?何なんだよ、気色悪りぃ。……つーかよ、それを言ったらオマエのほうこそ、ネカマ野郎とパーティ組んでて気持ちわりぃって思わなかったのかよ」
「ん、別に。こっちも同じだから、ね」
「……そうかよ」
───僕は、臆病だ。
一人は寂しい。一人は辛い。
そんな風に思っているのに、自分が傷付くのを恐れるあまり、他人を遠ざけてしまう。
自分の弱さから目を逸らして、見て見ぬ振りをしてしまう。
「あとさ、君にお願いがあるんだけど」
だから、まあ、そんな臆病な僕に───否、僕たちに必要なことは。
みんなが自分を嫌ってしまうと、最初から決め付けずに───傷付くことを恐れずに、人にぶつかってみることだろう。
「僕と……フレンド登録、してくれないかな?」
そんなわけで。
まずは、自分にできることから───誰かと友達になってみることから、始めてみよう。
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