魔法先生ネギま!
0343話
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激しく雨の降る中、俺は歩を進める。その心に宿るのは全てを燃やし尽くすかのような猛烈な怒り。目指すのはあやかと千鶴を掠ったと思しき者が戦っている場所だ。
戦っている以上は誘拐犯と敵対している者がいるのだろう。恐らくは学園の魔法使いか。
「だが……」
そう、だが。今の俺にそれをやめるという選択肢は無い。
己の犯した過ちを絶望と共にその身に刻み込んでやろう。
そんな風に意識を戦闘状態にしつつ加速を使いながら辿り着いたのは何らかのステージと思われる場所だった。確か以前千鶴から聞いた話によると、学園祭なんかで使われる場所だったか。
そこに存在している者達を見て、思わず眉をピクリとさせる。ステージの観客席が破壊された場所に佇む初老の男。感知出来る魔力の大きさから見て、こいつが今回の主犯で間違い無いだろう。そしてその初老の男の前で倒れているネギ。これはちょっと予想外だったが、ステージ上に神楽坂が捕らえられているのを見れば不思議でも何でも無い。他にも直径2m程の水の球が3つ。それぞれあやか、千鶴、桜咲が気を失って捕らえられている。少し離れた所にはかなり大きい水の球。そこにも結構な人数が捕らえられているらしい。そしてその水の球を守るかのように存在している3つの小さな人影。エヴァの書庫で読んだ内容が正しいのなら恐らくスライムか。俺が想像していたスライムとは大分違うが。
最後の1人。ネギの隣で倒れているその子供。
「犬上小太郎?」
そこにいるのは修学旅行で戦った、関西呪術協会の強硬派に雇われていた犬上小太郎だった。確か俺に倒された後に捕縛されたと聞いていたのだが……それが何故ここにいる?
「いや、今は関係ないな」
俺の邪魔をすると言うのなら再びその身に恐怖を与えるだけだ。
ジャリッ、とわざと足音を立てながらステージへと向かう階段を降りていく。
その足音で気が付いた訳でも無いだろうが、初老の男がこちらへと視線を向けて口を開く。
「君は誰かね?」
「……」
その男の問いを無視して、ステージへと歩を進める。
「アクセル君!?」
「ア、アクセルやと!?」
初老の男の言葉に、ネギと小太郎がこちらへと視線を向けて声を掛けてくる。だが、それも無視してただ黙ったままステージへと向かう。そのまま舞台の上に上がろうとした所で、スライムの1匹が襲い掛かってくる。
「なんだんだよ、お前はヨ。伯爵の邪魔をするんじゃねエ!」
スライム特有の液体で出来た身体を活かし、遠心力を使って振り下ろされた一撃。本来ならコンクリートで出来ている地面すらも砕くであろう威力のそれを、俺はただ黙って右手で受け止める。
ガッと重い衝撃を受けるが、その程度で今の俺を止められる筈も無い。
「な、何だこいツ。
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