魔法先生ネギま!
0343話
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現。
「なんや、あの瞬動の入りと抜きの滑らかさは。完全に使いこなしてるんか」
小太郎のそんな声を聞きながらヘルマンの右肘を無造作に掴む。
「ぐっ!? こ、これは……接触箇所から魔力を吸収してるのかね!」
悪魔特有の膂力を使って俺の手を振り払おうとしてくるが、獄炎煉我状態の俺にそんな無造作な真似が通じる筈も無い。そのまま無造作に右肘を掴んでいた手に力を込める。
ゴキュッ!
「ぐぅっ!」
右肘の関節を砕かれたヘルマンの苦痛の声。修学旅行で俺と敵対した時に四肢の関節を外されたのを思い出したのか、視界の端では小太郎が嫌そうに顔を潜めているのが分かる。だが修学旅行の時と違ってヘルマンの右肘は関節を外したのではなく砕いたのだ。そして……
「どうした、悪魔としての力を見せてみろ!」
ブチブチィッと嫌な音を立てながら引きちぎられるヘルマンの右腕。引きちぎられた箇所から肘の骨や腱、筋、肉が見えながらも、何故か血の一滴も流れていないそれを地面へと投げ捨てる。
「がっ、た、確かにこのままでは君に対抗するのは難しいようだね。ならば!」
唯一残った左手で被っていた帽子を投げ捨てる。すると次の瞬間には初老の男といった感じだったヘルマンの姿は一変していた。まるで卵のようなのっぺりとした丸い顔に、本来なら耳があるであろう位置まで裂けた口。目のある位置には瞼が無く、ただ光のようなものが収まっている。そして左右の後頭部から延びた2本の角。引きちぎられたはずの右腕は悪魔の本性を現した為か再生している。背からはコウモリのような羽が生えており、その身体は甲冑のようなものに覆われていた。
「その顔は……」
どこかで見た顔だ、と記憶から思い出そうとした次の瞬間。
「うわあああああああああああああっっっっっっっ!」
絶叫を上げたネギが俺の横をすり抜けてヘルマンへと殴りかかっていく。
そうか、あれはネギの記憶で見た悪魔か。確かスタンとかいう老人を石化した……
「ふははははは! あの時の少年がこれ程の使い手になるとはな。だが、今は!」
グパァッとヘルマンの口が開き、その口から光線のようなものが……
「ちぃっ!」
咄嗟に瞬動を使い、ネギを弾き飛ばしてヘルマンの顔面を鷲掴みにする。
「はああぁぁぁぁっっ!」
そのまま後頭部を地面に叩き付け、ギャリギャリと嫌な音を立てながらその丸い頭で地面を削っていく。
「ぐっ……」
表情が分からないその顔でも、不思議と痛みを我慢しているのが分かる。そしてその痛みを我慢して、口を再びガパァっと開くヘルマン。念動力により危険を感知し、アッパーを食らわせて強制的にその口を閉じさせる。
「大人しくしていろ。スライムっ!」
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