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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第二章
十四話 陸戦試合スタート!
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試合中で、目の前の青年とは敵同士だ。
「ははは。そんな身構えんなって。いいぜ、レディファーストって事で……お先にどうぞ?」
「っ!」
二ヤッとわらってそう言うと、ライノは手に持った
斧槍
(
ハルバード
)
をヒュンヒュンヒュンッ!!!と音を立てて振ってから、穂先を真っ直ぐにコロナに向けて構えた。
ライノのバリアジャケットは少し白がかった黄色を基調としたロングジャケットを上着とした少し厚手のジャケットで、最大の特徴は手に持ったそのハルバードだ。長さとしては長身のライノよりも更に長く、恐らくはそれがライノのメイン武装だと思われた。
さて、先手を譲られたコロナは、少し考えてから自分の行動を思案する。
恐らくは、侮られている。戦闘に置いて慢心は付け居る隙となるが恐らくはそれぐらいのハンデが無くては自分との戦闘は成り立たないと言いたいのだろう。
しかし……
『それは……悪手です!!』
どんな相手だろうと、侮る事は敗北につながる。そう教えてやろうと、コロナは懐から取り出したクリスタルを放り投げた。
「む!?」
「
創成起動
(
クリエイション
)
……」
さて、此処でコロナのちょっとした特徴を、読者諸君に伝えておこう。
実を言うと、コロナ・ティミルと言う少女は、彼女の親友であるリオやヴィヴィオと比べると、格闘技、魔法戦双方の点に置いて、一歩劣ると言ってよい。
これは彼女が、元来学業や読書等を得意とするインドアの傾向が強い少女であるためでもあり、同時に生まれ持った素質の問題でもある。
しかし、彼女には実は一つ他者と比べて、魔法戦技のカテゴリーに入る中である突出した特技が有った。
それは、“魔力によって物体を操る”技術。魔力を込めた物体は、原則術者の任意に操る事が可能だ。ある鉄槌の騎士等は、その技術を利用して召喚した鉄球を誘導弾のように相手にぶつける技術を習得している。
「創主コロナと、魔導器ブランゼルの名の下に……」
「こいつは……!?」
そして彼女のそれは、それを更に大規模にしたもの。
先ず魔力運用の起点となる
端末
(
クリスタル
)
を核にして、その周囲の物体にも魔力を充填。それらを練り上げ、形を変えて自在に動かす事が出来る。
そう、例えば……
「ゴーレム
創成
(
クリエイト
)
!?」
「叩いて砕け!ゴライアス!!」
人型に変えて、操る事も、出来るのだ。
────
「行きます!ライノ先輩!」
「こりゃ驚いたね……」
目の前に屹立する、体長五メートルは有ろう岩の巨人を前にして、ライノは苦笑しながら一人ごちた。
ゴーレム
創成
(
クリエイト
)
極めれば、規模と破壊力の面で他の追従を赦さない、物体操作系上級魔法の一つだ。
その能力は見ての通り、大地の岩や泥そのものを任意の形に変えて操り、物量によって相手を
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