鬼教官と呼ばないで 1
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将官、佐官、尉官方の推薦により選ばれた30名の新人と、希望者70名の計100名からなる新人海兵及び、私を含む5名の教官、総勢105名の人間がいます。
それでも訓練場のほんの一部しか使っていないんですよ。 くどいですが広いですねぇ。
え? 人間が104名じゃないかって? アモスさん人間やめてますよねって? よし、お前、ちょっと体育館裏に来いよ、私はまだ『石でできた不気味な仮面』を被って、頭グサグサされた記憶はないぞ!! それに私は『呼吸によって人間の不思議な力を引き出す技術』を習った側だ。 『ウリイイイイイ(ちなみにWのほうですよ)』って叫びながら眷属増やしに奔走したりはしない。
で、その新人100名ですが、なんだかビクビクしてますね。 大方、私の鬼教官としての噂を聞いたってところでしょうか? 志願してきている人もいるはずなので、噂ぐらい聞いていると思ったのですが……。
まぁ、いいでしょう。 私がどれだけ鬼教官ではないかを見せるいいチャンスです。
それではみなさん、まずは柔軟からですよ!!
◇◆◇◆◇
初めまして、僕の名前は『ショウーラ・イノサカーン』と申します。 うちの家は代々海軍の家系で、父は海軍本部中佐『ゲンザー・イノサカーン』といい、おじいちゃんは何とあのセンゴク元帥たちの2年先輩で、現在は引退していますが、最終階級は海軍本部大佐を任されていた『ムーカシ・イノサカーン』といいます。
そんな僕は現在、あの鬼教官ことアモス中将の『海兵強化プログラム』に参加する一員として、海軍特別訓練場に来ています。 広いです。
訓練場には僕を入れて100人の新兵と、アモス中将を含む5名の教官がいます。
正直に言いましょう。 とても怖いです。 訓練場に来るまでの道中で、ほかの訓練生や、教官の方々といろいろとお話ししましたが、とにかくこの訓練は厳しく、毎年、3分の2以上が脱落するらしいです。 三年ほど前の訓練では、何と受験者全員が脱落するという、演習プログラム始まって以来の不名誉な快挙を成し遂げたそうです。
教えてくださった教官の方も、『今でも俺が潜り抜けたことが信じられないよ……。 まぁ、あの訓練を潜り抜けたからこそこうして生きていられるのかもしれないな』と遠くを見ながら語っておられました。 ちょっと、カッコいいと思ってしまったのは僕だけの秘密にしておきましょう。
そんなこんなで始まった訓練。 意外にも最初は柔軟から始まりました。
前後に2メートルずつ距離を開け、100人が整列。 屈伸や上体反らしなどで軽く体をほぐし、長座体前屈、開脚体前屈などを行っていくいわゆる普通の柔軟です。
驚きました。 訓練学校時代の教官は、訓練が始まるとすぐに、『走り込みだ!!
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