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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
説教をしてみても内心彼はどうでもいい。
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山くんの言う通り、やっぱり友達とのやり取りとかってかなり面倒だったかも……。桐山くんが「棄てる」なんて言うから、ちょっと考えちゃった♪』
「……うへ?」
 彼女が絶対言わなさそうな発言は空を斬ったような衝撃と共に、俺の記憶と心に刻まれる。由比ヶ浜さんが「嘘」を吐いたんじゃないかと疑ったほどだ。……本当に嘘ではないだろうか?
 だが、次の一言がここは現実であるという事実を突きつける。

「雪ノ下さんが言ったみたいに桐山くんが移ったのかも……」
 彼女はへへへ、とはにかみながら笑って、明るく、アホみたいに笑顔を振りまいて去り際、俺の耳元に囁く。

『――全部、桐山くんのせいなんだからっ』
『……っ!』
 ま、まあ、確かにね。それは俺のせいだよ、間違いなく……。いやはや、困ったな。
 俺は頭を掻きながらトボトボと歩いた。
 何だか妙に体が軽かった。またしても笑みが浮かぶ。……何だよ、何だよ!
 少しだけだが本心から嬉しかったのは久しぶりだ。

 そうして一時の満足感で職員室に向かい、先生から部室の鍵の置き場を教えてもらった。はしゃいでみたら平塚先生に嫌悪の表情でキモがられた。酔いが醒めた気持ちになった。
 ところで明日は休日である。雪ノ下に散髪をしてもらう約束がある。……それにしても雪ノ下のやつ。俺の髪を切るためだけに奉仕部全員を呼ぶつもりなのだろうか。
 
「また気が滅入る……」
 どうやら物語はまだ始まったばかりらしい。
 俺は静かに教室へと向かい。長い長い昼休みを終えた。

 騒がしくなくなったクラスの片隅で毛布にくるまり、コーヒーを飲んで、貰ったクッキーを食べた。
 ――ただ、読書はしなくていい。ただただ雷鳴が近づき、通りすぎて行くのを聞いているだけでも今だけは、ささやかな幸せを感じられた……。

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