暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン25 捨てられたモノと見捨てられた者
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ないように会話をつなげる。いつの間にか確立していた僕らの暇つぶしの黄金パターンです。お、なんか浮いてる。

『浮いてるな』
「飛んでますな」

 そこにいたのは、白くて半透明でふわふわ飛び回ってて、といかにもと言った感じの幽霊、のような何か。でも、特に緊張はない。何かあるならとっくの昔に霧の王やチャクチャルさんが黙ってないだろうし、特に害はないんだろう。多分。あ、気づかれた。

「突っ込んできた!?うわ、や〜ら〜れ〜た〜………ってアレ?」

 なんとこの幽霊、よほどしつけがなってないのかいきなり突っ込んできた。反射的にギュッと目をつぶって痛みに耐えようとしたけど、いつまでたっても痛くない。体を通り抜けた時にちょっとひんやりした感じがしたけど、ただそれだけ。

「痛みはない、な。恐らく、こいつらは攻撃力0のカードの亡霊なんだろう。目的地は近そうだ」

 隣を見ると、万丈目も同じような幽霊にたかられてた。うーん、成仏させてあげたほうがいいんだろうか。まあでもやり方もわからないし、とりあえず放っておいて夏場に暑くてたまらなくなったら体を通り抜けてもらおう。きっと涼しくなる。

「さっきから、いったい何が見えてるの?だってさ」

 精霊が見えないせいでいまひとつ状況が呑み込めてないらしい夢想にたいして肩をすくめて見せ、僕たちはもう少し歩いてみることにした。
 ………そこから道を間違えて30分ほど無駄に歩き回り、結局井戸が見つかったのはこの地点から徒歩1分の場所だったのは密に、密に。

「む、辛気臭い井戸だな」
「まあまあ。よし、降りるぞー!」
「おー!」

 万一水がたまってたらえらい事になるので、わざわざ持ってきた懐中電灯で照らしてみる。あ、カードがあっちにもこっちにも落ちてる。やっぱり本当のネタだったんだ、カードを捨てる井戸。正直なところ、本当にカードを捨てる人がいるなんてまだ半信半疑だったんだよね。
 そして三人とも降りて、とりあえず足元のカードを物色する。あ、これ攻撃力600あるや。もったいないから回収はするけど。そうやって拾い集めていくと、なにやら隅のほうで動く気配がした。

「ん?」





 あれから一日。万丈目兄と万丈目の学園を賭けたデュエルとあって、全校生徒のほとんどが早いうちから詰めかけてきていた。ちょっと万丈目に用があったせいで場所取りに遅れちゃったけど、立見席でいいから空いてる場所があるだろうか。

「お、清明。こっちだこっち!」
「ほら、こっちっスよ!三沢君が僕たちの分の席も確保しておいてくれたんだ!」

 ラッキー。やっぱ、持つべきものは友達だね。感謝しながら席に着くと、十代に三沢に翔に隼人に夢想と、ブルー生特別席に座っている明日香とカイザーを除くいつものメンバ
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