最終話 新たな伝説
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「テオドラ、ボルテック弁務官との調整はどうなっています?」
「それについては幾つか御相談しなければならない事が……」
「分かりました、事務所で聞きましょう」
親っさんが歩きだした。俺達は親っさんを囲み、周りを警戒しながら歩く。
「アンシュッツ副頭領」
「はい」
「エル・ファシルに事務所を出しましょう。あそこはこれからどんどん大きくなります。人を選んでください」
「分かりました。ハイネセンは如何しますか?」
「少し様子を見ましょう。未だハイネセンは安定していませんから」
おいおい、もう仕事かよ。少し休んだ方が良いんじゃないの? そう思ったけど親っさんは他にも爺さんを呼んで話をしたり、スウィトナー事務所長を呼んで指示を出している。
「親っさん、少し休んだ方が……」
最後まで言えなかった、親っさんが笑い出したんだ。
「そんな暇はありませんよ、キア。戦争が無くなり国境が無くなった。この宇宙の隅々まで自由に船を動かせる時代になったんです。船を動かし物を動かす、それによって宇宙の経済を活性化させる。それが出来るだけの力を私達黒姫一家は持っているんです。そうでしょう、テオドラ」
「はい! その通りですわ、黒姫一家になら出来ます」
スゲエ、なんか熱気で圧倒されそうだ。
「ローエングラム公は理解していますよ、公はイゼルローン回廊の全面開放を決断しました」
おいおい、本当か、彼方此方で唸り声が聞えた。
「公は船を動かしやすくしたんです。これからは旧同盟領から沢山の交易船が辺境を目指してやって来るでしょう」
「……」
「負けられませんよ、私達の手でこの宇宙に黄金時代を作りだすんです。辺境だけじゃない、この宇宙全てを豊かにする……」
親っさんが俺達を見た。吸い込まれそうな眼だ、黒く輝いている。付いて行きますよ、親っさん。俺達は何処までも頭領である親っさんに付いていく、そしてこの宇宙に黄金時代を作りだす。新しい黒姫の伝説だぜ。
親っさんがクスッと笑った。
「さあ、行きましょうか」
「はい!」
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