最終話 新たな伝説
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事を後悔しているのだろう。教えてくれたのも心配すればこそだ。
「帰りにはウルヴァシーに立ち寄る事になる。その時ルッツ提督にも話しておくよ。彼にとっても他人事じゃ無い筈だ。それにハイネセンの御土産も渡さなくてはいけないからね」
「そうか、宜しく頼む」
動くのは誰かな、まるで心当たりが無い。これでは無防備で敵中に居る様なものだ。ルッツ提督も同様だろう。
「ウチはオーディンにもフェザーンにも事務所を構えている。何か有れば直ぐ知らせるよ」
「……」
「安心しろ、ローエングラム公の周囲にはアントンもギュンターも居る。卿を陥れる様な事はしないさ」
「ああ、分かっている」
俺の事を陥れようとはしないかもしれない。しかしエーリッヒの事はどうだろう……。
「卿も気を付けろよ」
「もちろんだ、気を付けるよ」
「エーリッヒ、アントンとギュンターの事だが……」
エーリッヒが手を上げて俺の言葉を封じた。笑みを浮かべている。
「心配無い、考え過ぎだ」
「そうかな」
「そうだとも。今度はフェザーンで皆で会えるさ」
「そうだな」
そうだな、そうであって欲しいよ……。何時からこんなややこしい事になったのか……。
帝国暦 490年 9月 15日 フェザーン星域 マーナガルム エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
この艦に乗るのは久しぶりだなと通路を歩きながらそう思った。艦を取り替えたのは四月の半ばだから丁度半年か。半年ぶりにマーナガルムに乗ったわけだ。艦橋ではラインハルトが俺を待っていた。ローエングラム公ラインハルトか、もう直ぐ皇帝ラインハルトだな。原作よりちょっと遅いが安定感はこっちのが上だろう。
「閣下、そろそろフェザーンです。私はここでお別れさせていただきます」
「うむ、卿のおかげで宇宙の統一もスムーズに進んだ。礼を言う」
「有難うございます、恐縮です」
「卿には何も報いていないな」
「イゼルローン回廊の全面開放をしていただきました。それだけで十分です」
「そうか……」
ちょっと困ったような表情だな。まあ俺は軍人じゃないから昇進とかは意味が無い。そういう面ではラインハルトにとっては扱いが難しい存在ではあるな。気にしなくて良いんだ、半分くらいは趣味で助けたようなもんだからな。しんどい事もかなりあったが終わってみれば結構楽しかった。
「次に会えるのはオーディンだな、戴冠式か」
「はい、戴冠式を楽しみにしております」
「私もだ、皆が驚くであろうな」
「はい」
まあ俺くらいだろうな、祝いの品に星系を選ぶのは。形だけとはいえ、新王朝の門出に相応しい贈り物だろう。
ラインハルトが上機嫌に笑みを浮かべている。皇帝ラインハルトの誕生か……、それを目の前で見られる、最高だろうな。もし
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