第一話「ロックマン/ROCKMAN」
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ったあまりに体の大きさとは裏肌の怪力を出してゴン太を大きく突き飛ばしたのだ。
「うわぁ!?」
一瞬の出来事で理解できないままゴン太はおよそ、五メートルは飛んだだろう。
そして、タケルは帽子を拾い上げてこの場から失踪していった。その姿を見てなのは達は呆然としているより他ない。
「な、何なの?今の……」
突然目の前で自分よりも巨体な男子を思いっきり押し飛ばしてしまった男子を目にアリサは驚くしかなかった。
「た、タケル君……?」
と、なのはが呟いた。
*
「ハァ…!ハァ…!」
タケルは学校を抜け出して海沿いの歩道を走り続けていた。しかし、息切れを起して立ち止まると、自分は見知らぬ場所まで逃げ続けて、どうやって戻ればいいのかが知らなかった。いや、学校へ戻ろうなんてことは考えていない。帰りたいのだがなのはの自宅には行きたくない。唯一の親友であるライト博士の自宅へ行きたいが、そこへの道筋も知るはずも無く、仮に行けたとしても博士はよく出張へ出かけているので留守が多いだろう。
「どうしよう……」
戻るところを失って、タケルは途方にくれながら歩き続けた。
見知らぬ道をさ迷い続けて、とある森の道へたどり着いたのは丁度午後の三時頃、今頃なのは達は下校している頃だろうな?帰れる家を持って羨ましがるタケルは一人森へと入っていった。
「森……」
まるで孤独な場所のように思えた。今の自分の心のようである。静で風にざわめく木々が揺れるだけで。
「……」
しばらく彼は森を歩き続けていくと、その風景はまるで彼が過去に呼んだグリム童話の一説を思い出させた。「赤ずきん」である。
「森……」
赤ずきんと呼ばれる少女は森で一匹の狼とであったことから全ての惨劇が始まった。
タケルは自分以外誰も居ない事を見ると、とある木の根元へ座って空を見上げた。
『助けて……!』
そのとき、何処からともなく頭の中から何者かの声が日々いいてきた。
「……?」
タケルは立ち上がり、辺りを見回すが人らしき気配は感じられない。
『この声を聞きし者よ、僕の元へ来てくれ……』
「だ、誰……?」
*
一方、なのははアリサとすずかと共にタケルを探していた。彼女はあの後、疾走したタケルが教室においてきた「グリム童話」の本を抱えていた。
「何処へ言ったんだろう?」
「鳴海市は結構広いから……」
「この町に来たばっかりでしょ?やっぱり迷子になったのかな?」
「すずかちゃん、アリサちゃん、私あっちのほうを探してみるから二人は駅前のほうをお願い」
「わかった!またここで会おう?」
なのはの指示の元、二人は駅へとタケルを探しに向った。
「タケル君……」
廊下での出来事が今でも頭から離れず、そして彼が持っていたグリム童話の本を小脇に抱えていた。
「グリム童話なの……」
彼女
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