−蘇った男、サンダー−
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『千!』
「万丈目サンダー!」
『サンダー!』
「俺の名は!」
『サンダー!』
「万丈目!」
『サンダー!』
もういいや。
「ほほ…まさか万丈目くんとは…こちらの代表、黒崎遊矢くんです。」
あ、どうも。
黒崎遊矢です。
「ふん!貴様が代表だったか黒崎遊矢!」
サンダー!のかけ声を止め、俺の元へ歩いてくる。
「貴様には、一度借りがある…今度こそ貴様を倒し、天上院くんを解放させる!」
…?
…あー。万丈目が学園からいなくなる前に、学園で流れていたらしい噂だ。
『黒崎遊矢は罰ゲームとして、天上院明日香を連れまわしている』
という、根も葉もない噂である。
自然消滅したらしいが、明日香ファンクラブでは、まだその噂を支持しているとか。
「万丈目くん!」
そう言って走ってきたのは、噂の主、明日香だった。
「やあ天上院くん!久しぶりだね。」
「ええ、久しぶり。だけど、そんな噂はデタラメよ。まだ信じてたの?」
万丈目って、明日香を前にすると口調が変わるな。
なんでだろう。
「いや、俺は必ず君を救ってみせるよ。この万丈目サンダーの名に賭けて!」
話を聞かず、ビシィッと指を突く万丈目。
…付き合いきれん。
顔合わせも終わったことだし、騒動が始まる前に控え室に行こう。
「ちょ、ちょっと遊矢!」
「頑張れ明日香。健闘を祈る。」
なにやら喚いている明日香と万丈目…サンダー…を無視して、俺は控え室に向かった。
わざわざ代表の為に用意された控え室に着いたが、別にやることは無かった。
デッキの調整も昨日に済んでいるし、試しに明日香ともデュエルした。
…まあ、ようは一刻も速くあの場から離れたかっただけなのだが…
「遊矢!」
「大変なことになったぞ、遊矢!」
明日香に三沢が、いきなり駆け込んできた。
「大変なこと?」
「ああ。万丈目の兄たちがいきなりやって来たんだ。」
それのどこが大変何だよ。
「そもそも、万丈目の兄たちって誰だ?」
「万丈目くんのお兄さんたちは、それぞれ政界と財界の重要人物よ。いきなりヘリコプターでやって来たの。」
ふーん。
「いくら俺の知らない有名人が来たって…」
大変なことにはならない、と言おうとしたが、三沢が先に口を開いた。
「最後まで聞いてくれ遊矢。その万丈目の兄たちが、この友好デュエルをテレビで放映しようと、テレビ局を用意したんだ!」
「へぇ、テレビ局…テレビ局ゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
ということは…
「まさか…」
「あなたのデュエルが全国放映されるってことよ、遊矢。」
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