−蘇った男、サンダー−
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遊矢side
遂に今日、デュエルアカデミア本校と、ノース校の友好デュエルの日だ。
ノース校の移動手段はなんと、潜水艦だと言うので、デュエルアカデミア本校の生徒は、港で今か今かと潜水艦の到着を待っていた。
俺は、本校代表として挨拶するために、鮫島校長の近くにいた。
「鮫島校長。ノース校の代表は一年生らしいですが、どんな奴なんですかね。」
「それが分からんのだよ。向こうの校長は『秘密兵器』としか言わんし…」
秘密兵器って…
人間か?そいつ。
「まあ、相手が誰であれ絶対に勝つんだよ遊矢くん!」
「はあ…」
いつになく殺気立った鮫島校長に、若干引いてしまった。
そこに−
ザパァァァァと、音を立てて潜水艦が浮上した。
さっきまで騒いでいた本校生徒も、流石に静かになる。
「いや、ひさびさだね鮫島校長。」
メガネをかけた男−おそらくはノース校の校長−が、潜水艦から出てくる。
「去年はそちらに負けたが、今年こそはこちらが勝たせて貰うよ。」
「はて、それはどうでしょうね…で、そちらの秘密兵器とやらは…?」
鮫島校長と、ノース校の代表が握手をする。
…近くから見ていた俺からすれば、互いに腕を潰しあっていたが。
なんか恨みでもあるのか。
「ハハハ、そう急ぐな。…皆!出てきて良いぞ!」
ノース校の校長がそう宣言すると、一糸乱れぬ統率された動きでノース校の生徒たちが出てくる。
軍隊みたいだな。
そして、その中心にいるのは−
「万丈目!?」
かつて三沢に敗れ、この学園を去った男、万丈目準だった。
「黒崎遊矢か。万丈目、さんだ!」
…本物だな。
あいつは、学園を去る時に船でどこかへ向かったらしい。
ということは、あいつ、船でノース校までたどり着いたのか…?
「紹介しましょう。彼がノース校の代表、万丈目準です。」
「違うぞ校長!地獄の底から不死鳥のごとく蘇った俺の名は!」
万丈目は叫ぶと同時に、指を天に向かって高く掲げた。
「一!」
『十!』
万丈目の叫びに呼応し、ノース校の生徒たちまで叫び始める。
「百!」
『千!』
「万丈目サンダーだ!」
…は?
突然のことに、俺−というか本校生徒−は反応出来なかった。
前言撤回。
軍隊じゃなく、宗教集団だ。
恋する乙女教とかではない、本物の。
「怖じ気づいたか黒崎遊矢!分からなければ、もう一度言って聞かせるぜ!」
万丈目…サンダー…?は、再び指を天高く掲げた。
「いや、もう良い!」
しかし、それも聞こえない様子。
「一!」
『十!』
「百!」
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