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魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜賢者の槍を持ちし者〜
Chapter21「仲間と家族」
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鳴を聞きながら危惧していた事が予想どおり起こってしまい軽く笑えてくる。だが笑える実際状況はエリオとキャロには優しくはなさそうだ。湖に落ちそうになるキャロを慌てエリオが彼女の手を掴むが、助けに入ったエリオは重力の力にあらがえずそのまま湖へと身体が傾く。
このまま2人が湖に落ちるのを見てはいられない……ならやる事は決まっている。
足に力を入れ、その場から一瞬でキャロの手前に移動。ヴィクトルやビズリーが使った瞬間歩法をルドガーなりに再現した技だ。舞う枯れ葉を残し、目の前にいた人物が突然消えた事にティアナとスバルは驚いている。

「ふぅ……大丈夫か?」

間一髪最悪の事態を回避でき一息つきながら、2人を引き上げる。

「は、はい」

「ご、ごめなんさい」

「いいんだ。次から気をつけろよ?」

謝るエリオとキャロにルドガーはそれ以上厳しい事は何も言わず、次から気をつけるように促した。
後ろからティアナが遅れて駆け寄って来る。

「もぅ……それ持って先に行ってなさい!残りは私達がもっていくから」

「「は、はい」」

返事をすると2人は、言われたとおりにペットボトルを持って先に戻る。

「ありがとうございます、ルドガーさん」

「ああ……寒い季節じゃないとはいえ、夜の湖は冷たいから落ちなくてよかったよ」

ティアナがルドガーに礼を告げ、それを何ともないとルドガーは返し、残った3人は残りのペットボトルも湖から引き上げる。ペットボトルに手を当てると冷蔵庫に入れ冷やしたのかと錯覚するほど、中身はキンキンに冷えている。同じような事を幼い頃ユリウスと一緒にいったキャンプで、やった事を思いだす。あの時ペットボトルを冷やす役割をしてくれたのは川だったが、同等の水の冷たさだ。自然とは何と素晴らしいモノか。

「ねぇ……ティア、あのルドガーさん」

「何よ?」

「 ? 」

スバルが普段の彼女とは違う、落ち着いた口調で話しかけてくる。本当に今日は色んな人物の様々な一面を見る事ができている。

「機動六課に来て……私達、良かったよね」

「……まだ分かんないわよ」

そう答えたティアナ。彼女に限らず、管理局では憧れの対象である人間が勢揃いした部隊で仕事と訓練が出来る事は、ティアナ達からすれば夢のような事なのではと思っていたルドガーは彼女の意外な言葉に目を丸くする。

「……訓練だってずっと、基礎と基本の繰り返しで……ルドガーさんとの訓練は、ルドガーさんの銃の腕をを見て自分の足りない所がわかって、今後の私の課題が出来上がる……でも本当に強くなってのか……いまいち分かんないし……」

確かにティアナの言うとおり、なのはの訓練は基本基礎固め。戦闘訓練というより、生き残る事を常に優先した教導だろう。
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