暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十一章 「交戦」
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「さて、俺も準備をするか」
 シャナと別れた俺だが、ともかく、何処か人目に付かない場所を探していた。
「取り敢えず、あそこで良いか」
 目に留まったのはコンビニエンスストア。
 日頃は、行く用事もないため滅多に行かない場所だ。
 それが原因で今日も昼飯を購買で調達する羽目になったのだが………。
 あの独特の入店音に出迎えられながら、俺は店の隅にあるトイレに向かった。
 ここなら人目に付く心配はない。
 車椅子を使用している人にも使い易いよう、トイレの中は広々としていた。
 バリアフリーって奴か…、最近のコンビニも侮れないな。
 衛宮の家も、離れにはウォシュレットを導入して久しいけど、それ以外の改修はしていない。
 本邸に至っては和式であり、それ故、女性陣――特に遠坂からは苦情が相次いでいた。
 もっとも、遠坂に関しては離れのウォシュレットの導入で更に一悶着あったことから、聞かないことにしているが。
 一応、屋敷の主は俺だし。……形の上では。
 皆が幸せな世界を目指す俺としては、バリアフリーに気をつかわないといけなかったのかもな

 ドアの鍵をかけたか確認して、俺はトイレの中央に立つ。
 さて、いつもより時間が掛かるんだ、早く終わらせよう。
「―――投影開始」
 用意するのは『全て遠き理想郷』
 聖杯戦争で共に戦った『剣の少女』に返還した聖剣の鞘―――、俺の半身とも言える存在だ。
 だが本来なら、俺は鞘の投影が出来なくなる筈だった。

 ロード・エルメロイU世と遠坂の手によって、冬木市地下の『大聖杯』が破壊された時、騎士王との繋がりは完全に絶たれ、自分の中から鞘のイメージが消え去ってしまう筈だったからだ。
 錬鉄の弓兵『英霊エミヤ』が俺達の最強の守りたる鞘の投影をしなかったのは、しなかった、ではなく、出来なかった、というのが正しいのだろう。
 使えたとしても、アイツは使わなかっただろうけどな。
 俺自身もそれで良かったのだが、遠坂曰く。
「これからの士郎には必要になるでしょ? このまま消してしまうなんて勿体無いわ。それに『思い出の中だけ』っていうのも衛宮くんらしい話だとは思う、けど『思い出の品』ってのもある位だし、物として残すのも人間には大事だと思うの」
 ――との事。
 何処か丸め込まれてる気もしたんだが、遠坂に力説され「それもそうだな」という事になって予定変更。
 『大聖杯』破壊前夜に『全て遠き理想郷』を投影、そのまま遠坂家の宝箱に鞘を保管する。
 破壊した後、改めて自分の投影品を『再読み込み』して。新しく自分の中にイメージを作成するという運びになった。
 ―――結果は大成功。
 予想された通り、破壊した瞬間に俺の中から完全にイメージは消去されたが、翌日の昼過ぎに宝箱を開けたら鞘はちゃんと残
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