暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
十一章 「交戦」
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目的が武器破壊だってんなら、先にこちらから武器を捨ててやるよ。
 それに、これで目に見えてマネキンは減ったからな。
 あと数体ってところか。いちいち数えるのも面倒だ。
 ランクはそれほど高い訳ではないが、それでも夫婦剣はれっきとした宝具である。
 流石の威力だね、全く。
「これは………。いや、まさかね。コレと原理は似ているような気はするけど………」
 フリアグネは何か言っていた様な気がするが、爆発の破壊音でよく聞こえない。
 が、今は気にする必要はないだろう。
「投影開始!」
 再び背に手を回し、夫婦剣を用意する。
 先程より速く完成する夫婦剣。それを構え、斬り込む。
 今が好機だ―――。
「このまま、押しきる!」



  ◇



 俺からの二度目の攻勢により、マネキンの残りは三体まで減っていた。
 爆破で潰しきれなかったマネキンは、全てマネキンBの様だ。
 偉そうに「押しきる」なんて啖呵を切った割には、戦い方は先程までより神経を使わせられていた。
 マネキンの、いやあらゆる可動物の構造的に脆い間接部を斬り、姿勢を崩したところを強化した脚で蹴り倒し、夫婦剣を突き刺す。
 敵を切り飛ばす度に夫婦剣は悲鳴を上げている。
 先程までとは違い、マネキンBの胴は硬い。故に、夫婦剣にもかなりの負荷が掛かっている。
 だが、投影の露見を防ぐ為には追加の投影をする訳にはいかない。
 折角、背中から取り出すように偽装していても、あまりにも無尽蔵に取り出すと、いくらなんでも感付かれてしまう。
 となると、今、手に持っている夫婦剣が頼みの綱だ。
 フリアグネはマネキンを追加してしまえば形勢を逆転出来る。
 余興と言っていたから、追加される事はないと思うが、そんな事を保証できる筈もない。
 俺は武装を失えば、否が応でも投影を使わざるを得ない
 そうなれば完全に消耗戦だ。相手の総戦力が不明な以上、魔力量に限りがある、俺が不利なことは疑いようもない。
 だが、戦闘を開始してかなりの時間が経過している。
 ―――そろそろ、時間の筈だろう。
 突き出されるマネキンの腕を、干将の刃を這わせるようにして受け流す。
 先程までは直線的に敵の攻撃に対して二刀を打ち付け、受け止めていた。だが、今の俺は円を描くように動いている。
 無論、行動が複雑化するが、今はそうしなければならない事情がある。
 懐に潜り込み、莫耶を敵に叩き込んで撃破。
 ―――残り二体。
 軋みを上げる莫耶。
 防御の時は、刃を這わせるようにすればある程度の衝撃は受け流す事が出来る。だが、攻撃の際はどうしようもない。
 その身を削りながら戦う夫婦剣。
 すまない、もう少しだけもってくれ……。
 マネキンから、右が振り下ろされる。大振りな攻撃
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